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シャイニーストッキング
第16章 絡まるストッキング10     連休最後の2日間…
 15 武石健太(12)

『急遽、お友達と今夜、明日と泊まりで出掛けるから、16日まで我慢してね♡』
 と、いう美冴さんからのメールが来たのだが…

 俺の心は一瞬の絶望感から一転し、高鳴った、しかし今度は、一瞬でも疑惑心、猜疑心を持ってしまった心が、また、再び、ザワザワと…

 いわゆる、『疑心暗鬼』という想いの迷宮に陥ってしまい…
 更に騒ついてしまってきていた。


 急遽、お友達と泊まり…
 それは構わない。

 美冴さんの交遊関係なんて全く分からないし、いや、知る訳もないから…

 だけど…

 だけど…

 携帯電話の電源を切った…
 そのことに、どうしても心が騒ついてしまうのだ。

 ただでさえ、毎日、毎晩、いや、暇さえあれば美冴さんと電話で話したいと思っていて、そんな思いを無理矢理に我慢し、押さえつけている…
 だから、絶対にしつこい筈が無い。

 それなのに…

 いや、俺だったら…

 俺がもし、携帯電話の電源を切る理由…

 それは…

「あぁ、ダメだぁ」

 考えたらキリが無い…

 正に疑心暗鬼…

 猜疑心がぐるぐると脳裏を駆け巡ってしまう。

 例え、どんな理由があろうとも…

 万が一、本当の理由が違うのであっても…

 こうしてメールが、待ちに待ったメールが来たではないか…

 これで良しとしなければ…

 そして、確実に16日には逢える事が分かったのだから…

 よしっ、気分転換しよう…

 腹も減った…

「よし、まずはメシだ…」

 俺は着替えをし…
 気分転換に、外にメシを食べに出た。


 だが…


 ダメだった…


 この前、美冴さんと二人で来た、商店街の町中華屋に入り、ラーメンとギョウザを食べていると…

『健太さんもギョウザ食べてくれないとなぁ…
 キスできなくなっちゃう…』
 と、いう、あの美冴さんの甘い囁きが、不意に、脳裏に蘇ってしまったのである。

 更にザワザワと騒めきが、強く、高鳴ってしまう…

「あぁ、ヤバい…」

 こんな気持ちは…

 初めてであった…

 いちおう、大学生時代は…

 佐々木ゆかり部長が留学して居なくなってからは…

 ナンパ師として、結構遊んできたんだけどなぁ…

 ヤバいなぁ…

 あぁ、美冴さんに逢いたいなぁ…

 いや、ヤリたいなぁ…




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