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シャイニーストッキング
第17章 もつれるストッキング1     松下律子
 174 彼への違和感…

 だがわたしは、そんな彼の様子に、いや、力強く、そしてなんとなく自信たっぷりな感じの言葉に…

 一瞬、ホント一瞬だけど、違和感を感じたのである。

 え?…

 なんか…

 なんか、変わった?…

 昨日一日で変わった?…

 もちろん、やる気満々…

 自信満々はいい事だとは思うのだが…

 なんとなく昨日までの彼、わたしの知っている、いや、愛している大原浩一という男とは…

 変わった…

 いや、微妙に変わった?…

 そんな違和感を感じたのだ。

 なんだろうか?…

 常務という役職に就けたから?…

 あ、いや、きっと昨夜の山崎専務らとの話しで、何かがあったのか?…

 多分、そうなのだろう?…

 なんとなく、その一瞬の彼の目力に…

 野心、野望…

 そんな感じが見えたのである。

「ん、どうかしたか?」
 そんな一瞬の違和感に逡巡していると、彼がそう訊いてきた。

「え、いや…
 あ、そうなりたいですね…」
 わたしはとりあえず、そう合わせて応える。

「あぁ、そうだなぁ…」
 だが、そう呟いてきた彼は、もういつもの彼に戻った様に感じられた。

 わたしの勘違いなのか?…

 わたしは、この時、あまり深く考えないようにしようと思ったのだ。
 
 なぜならば…
 今のわたしにはやる事が沢山あり過ぎて、心にそんな余裕は無いから。

 それに後ろ盾がより力強くなってくれたのだから安心だ…
 とも、思う様にしたから。

 そして…

 彼を信じて、付いて行くと決めていたから…

 そう…
 
 彼に付いていくんだから…と。


 第17章 もつれるストッキング 1
       松下律子


        完

  

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