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シャイニーストッキング
第18章 もつれるストッキング2 佐々木ゆかり

9 稲葉ディレクター(3)
「いや、マジだよ、マジ…
間違いなく視聴率も取れるし、抜群の人気コメンテイターになるよ」
どうやら彼、稲葉ディレクターの、わたしをコメンテイターに推薦するという話しは冗談ではなく本気だったらしい…
「そ、そんな…
無理、ムリだし、第一そんな気持ちは全く無いから…
他を当たった方が良いわよ…」
「ま、いや、そんなこと言わずにさぁ…
少し考えてよぉ…」
わたしがそうツレなく言うと、しつこく食い下がってくる。
「バッカじゃないのっ、わたしは今、責任ある仕事を…
そして大きなプロジェクトを゙二つも抱えているのよ…
そんな気は毛頭無いからっ」
と、語気を゙強めて言い放つ。
「いや、それが一段落してからでいいんだよ、あ、そう、来春以降でさぁ…」
元々しつこいのだが、全く、へこたれる様子も無い。
「それにさぁ、じゃあさぁ、万が一よ、万が一わたしがそんなコメンテイターになって、アナタの言う通りに世間の注目を浴びるとしてさ…」
「うん…」
「そうしたら、わたしの昔の黒歴…あ、いや、昔のわたしを知ってる輩がワンサカと湧いてきちゃうじゃん」
「あ、いや、それは…」
わたしがそう一気に言うと、稲葉ディレクターは言い澱む。
「あ、それは違うんだなぁ…」
いや、彼は言い澱んだのでは無かった。
「え、違うって?」
「ほら、あの頃…
あのバブル全盛期のあの時代…
あの狂った時代にお嬢さんや俺が遊んでいたメンバー…
あの六本木で跋扈していたお坊ちゃん連中の、あの輩達はさぁ…」
「……………」
「ほぼ皆、いや、ほとんどが世襲や後を継いでさぁ…
ほらあの『夢の国』のベイサイドホテルの支配人みたいにさぁ…
あ、あとほら、アイツ、お嬢さんと仲良かったヤツ…
さっき局にいたじゃん…」
「あ………、れ、蓮か…」
そう二世、お坊ちゃんタレント、俳優の典型的な存在であり、わたしにとっては最悪の黒歴史の生き証人、いや、存在そのものである…
「そう…三山蓮こと三山蓮太郎…」
「え、だ、だから?」
わたしは…
心がザワザワしてきていた…
「いや、マジだよ、マジ…
間違いなく視聴率も取れるし、抜群の人気コメンテイターになるよ」
どうやら彼、稲葉ディレクターの、わたしをコメンテイターに推薦するという話しは冗談ではなく本気だったらしい…
「そ、そんな…
無理、ムリだし、第一そんな気持ちは全く無いから…
他を当たった方が良いわよ…」
「ま、いや、そんなこと言わずにさぁ…
少し考えてよぉ…」
わたしがそうツレなく言うと、しつこく食い下がってくる。
「バッカじゃないのっ、わたしは今、責任ある仕事を…
そして大きなプロジェクトを゙二つも抱えているのよ…
そんな気は毛頭無いからっ」
と、語気を゙強めて言い放つ。
「いや、それが一段落してからでいいんだよ、あ、そう、来春以降でさぁ…」
元々しつこいのだが、全く、へこたれる様子も無い。
「それにさぁ、じゃあさぁ、万が一よ、万が一わたしがそんなコメンテイターになって、アナタの言う通りに世間の注目を浴びるとしてさ…」
「うん…」
「そうしたら、わたしの昔の黒歴…あ、いや、昔のわたしを知ってる輩がワンサカと湧いてきちゃうじゃん」
「あ、いや、それは…」
わたしがそう一気に言うと、稲葉ディレクターは言い澱む。
「あ、それは違うんだなぁ…」
いや、彼は言い澱んだのでは無かった。
「え、違うって?」
「ほら、あの頃…
あのバブル全盛期のあの時代…
あの狂った時代にお嬢さんや俺が遊んでいたメンバー…
あの六本木で跋扈していたお坊ちゃん連中の、あの輩達はさぁ…」
「……………」
「ほぼ皆、いや、ほとんどが世襲や後を継いでさぁ…
ほらあの『夢の国』のベイサイドホテルの支配人みたいにさぁ…
あ、あとほら、アイツ、お嬢さんと仲良かったヤツ…
さっき局にいたじゃん…」
「あ………、れ、蓮か…」
そう二世、お坊ちゃんタレント、俳優の典型的な存在であり、わたしにとっては最悪の黒歴史の生き証人、いや、存在そのものである…
「そう…三山蓮こと三山蓮太郎…」
「え、だ、だから?」
わたしは…
心がザワザワしてきていた…

