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シャイニーストッキング
第19章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一
 190 律子の言葉

「…ううん、最初が肝心ですから…」
 律子が凛とした表情でそう言ってきた。

 うん、そう、わかっているさ…
 わかってはいるのだが…
 実はこの出張はまずは青山一也という人となりを観察し、越前屋の評価の通りと感じられたら直接本人の意向を確認をし、そして律子からも確認した上で決定を下すつもりだったのだ。

 そしていざ蓋を開けてみたら…
 本人も野心家であるという事もあってそれらの条件はクリアをし、これからの私自身の大きな即戦力になるであろう事は必至だと判断できた。

 またこの真中前常務派である永岡支社長に関しては直接話しを交わしてみて『長いものに巻かれろ』気質の全くの日和見的な存在であると感じられ…
 とりあえずしばらくは様々な大勢が整うまでは放置して置いといても害はないだろうと考えていたのだ。

 だがしかし今朝になって、昨夜関わりのあった秘書の竹下雪恵くんとおそらくはその彼氏的存在であろう青山くんからの不意な懇願と哀願により、思わぬ展開からの『新プロジェクト』への異動を引き受け、了承してしまったからには…
 永岡支社長を放置しておく訳にはいかなくなってしまったといえる。

 いやおそらくは、今日の、今朝の、この判断によるこの後の辞令の発令が…
 全支社でくすぶり、煮え湯を飲まされているであろうな優秀な人材や、野心を秘かに持っているキャリアハイを目指している社員達への大きな目標の道標となる事は明白となる筈。

 そのくらいの影響のある辞令発令となる筈なのだ、そしてまた、いや、その反面的に…
 戦々恐々とこれからの社内改革を見守っている真中前常務派閥の社員達にとっては、この永岡新潟支社長への今後の扱いの辞令がひとつの前例となり、発令後は瞬く間に全支社中に走り抜けていくであろう事が明白となる流れとなってしまうのだ。

 つまりそれが、いや、それの全ての意味を含めての律子曰くの…
『最初が肝心ですから…』であり…
『永岡支社長を懲らしめろ…』的な彼女の発言だといえる。

 そう、これからの、いや、今後の流れを掴み、作る上での…
『最初が肝心ですから…』になるのだ。

 そしてそれらの意味を含めての自分の甘さを感じてしまい…
 少し、自分に辟易と感じてしまってもいた。

 まだまだ自分は甘いのだ…
 全然尖れてはいないのだ…と。



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