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シャイニーストッキング
第19章 もつれるストッキング3 常務取締役大原浩一

194 帰京の理由
新潟支社の秘書である竹下雪恵くんの『有資格者という理由からの、今朝の緊急の本社プロジェクトへの異動という情報のながれが…』
「いい流れになってほしいなぁ」
と、私は呟いた。
すると…
「いや、間違いなくなりますよ」
律子はそう力強く言い切ったのだ。
そして私はそんな彼女の力強い横顔を眺め、逆に、自分の甘さに歯痒い思いを実感してしまう…
「とりあえず山崎のおじさま、あ、山崎専務にはある程度の経緯と決定内容を伝えておきましたから…」
そんな私の歯痒さを他所に律子は続けてそう言ってきた。
「あ、そうか…」
「はい、それで、夕方、アポを取りました」
「うん、わかった…」
「いつもの…」
山崎専務とのいつものアポイントメント…
つまりそれは本当にいつもの赤坂のホテルのメンバーシップラウンジに午後7時という事を意味する。
そして私達二人は、急遽、新潟市内観光を取り止めて東京へ帰る事にしたのだ。
その理由のひとつはそのアポイントメントのせいでもあるのだが…
もう一つの理由が…
「あ、あととりあえず佐々木ゆかり準備室室長にも、竹下さんの緊急の異動の件についての大まかな示達をしておきましたから」
と、律子はあくまでも事務的な声音でそう言ってきた。
「え、とりあえずって?」
そして私はそんな律子の事務的な感じと、その『とりあえず』という言葉に違和感を覚え、思わず訊き返す。
「あ、はい、ま、昨夜の流れからの緊急な異動理由という事があったから、アナタが、あ、すいません、大原常務から直接話した方が良いのかとも…」
と、律子は本当にあくまでも事務的にそう話してきたのだが…
一瞬のその私に対して『アナタ』と言ってきた、いや、秘書としての事務的な口調としての流れの中でのその失言的な言葉の現れに、私はそんな律子自身の内心の揺らぎを感じたのだ。
「そ、そうか…」
「はい…」
その報告は東京に到着次第にゆかりに直接話しをする流れと…
そしてどうやら…
「あと、なんか、その『新プロジェクト』の進捗についても何か動きがあった報告がしたいからと、佐々木準備室室長が仰ってましたし…」
…そんな理由も相まっての、急遽の帰京となったのである。
それに仰々しく『社内改革』を謳っていた手前…
二人での観光はないかとも。
新潟支社の秘書である竹下雪恵くんの『有資格者という理由からの、今朝の緊急の本社プロジェクトへの異動という情報のながれが…』
「いい流れになってほしいなぁ」
と、私は呟いた。
すると…
「いや、間違いなくなりますよ」
律子はそう力強く言い切ったのだ。
そして私はそんな彼女の力強い横顔を眺め、逆に、自分の甘さに歯痒い思いを実感してしまう…
「とりあえず山崎のおじさま、あ、山崎専務にはある程度の経緯と決定内容を伝えておきましたから…」
そんな私の歯痒さを他所に律子は続けてそう言ってきた。
「あ、そうか…」
「はい、それで、夕方、アポを取りました」
「うん、わかった…」
「いつもの…」
山崎専務とのいつものアポイントメント…
つまりそれは本当にいつもの赤坂のホテルのメンバーシップラウンジに午後7時という事を意味する。
そして私達二人は、急遽、新潟市内観光を取り止めて東京へ帰る事にしたのだ。
その理由のひとつはそのアポイントメントのせいでもあるのだが…
もう一つの理由が…
「あ、あととりあえず佐々木ゆかり準備室室長にも、竹下さんの緊急の異動の件についての大まかな示達をしておきましたから」
と、律子はあくまでも事務的な声音でそう言ってきた。
「え、とりあえずって?」
そして私はそんな律子の事務的な感じと、その『とりあえず』という言葉に違和感を覚え、思わず訊き返す。
「あ、はい、ま、昨夜の流れからの緊急な異動理由という事があったから、アナタが、あ、すいません、大原常務から直接話した方が良いのかとも…」
と、律子は本当にあくまでも事務的にそう話してきたのだが…
一瞬のその私に対して『アナタ』と言ってきた、いや、秘書としての事務的な口調としての流れの中でのその失言的な言葉の現れに、私はそんな律子自身の内心の揺らぎを感じたのだ。
「そ、そうか…」
「はい…」
その報告は東京に到着次第にゆかりに直接話しをする流れと…
そしてどうやら…
「あと、なんか、その『新プロジェクト』の進捗についても何か動きがあった報告がしたいからと、佐々木準備室室長が仰ってましたし…」
…そんな理由も相まっての、急遽の帰京となったのである。
それに仰々しく『社内改革』を謳っていた手前…
二人での観光はないかとも。

