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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 172 あの電話がなかったら…

「でも大原常務はよく…」
 と、私の一瞬のそんな思考の逡巡の想いを入江くんのこの言葉により遮られた。

 おそらく彼のその問い掛けに近い言葉は…
『よくあんな美人秘書と一緒にいて我慢できますね?』
 という意味が込められ、そしてそうも伝わってきたのである。

 そう、上司と秘書という関係は世の中の常であり、よくある関係であり、あっても然るべきな、そしてある意味下衆で、下卑的な関係ともえるのだ…
 だが、それ以前に私と律子との関係は、この常務と秘書という関係になる前の、お客とクラブホステスという、いや、最初からそんな卑下的な関係を超越した関係であった。

 だからこそ律子はより、それを意識しての昼間と夜の顔をハッキリと別け、いや、線を引いてきていたはずなのだが…
 さっきの痴艶な痴態の様子を思い返すと、どうやら自らその線を消してきた様に感じられる。

 いや、急にそう感じられてきたのである…

「あ、いや…、私もまだ急に常務就任なんて…あれだったから、そんな心の余裕が…」
 私はその入江くんの問い掛け的な言葉に咄嗟にそう応え、そして…
「確かに入江くんの言う通りに改めて松下くんを見ると魅力的ではあるなぁ…」
 と、必死に誤魔化しの言葉を述べた。

「あぁ、そうですよねぇ、大原常務の就任は突然みたいですものねぇ…」
 さすがに入江くんは山崎専務、いや、松本副社長派閥であるから、私の常務就任の大体の経緯と流れは雰囲気的に察している様である。

「そうなんだよ、まだ一週間だから、気持ち的にもさぁ…」
 と、私はなんとか自然な雰囲気で語れ、そんな自分に少し驚いてもいた。

 部下や男相手であるなら、こんなスムーズに誤魔化しのウソが言えるんだなぁ…と。

 散々、ゆかりや律子に対しては、こんなウソが下手過ぎて苦労と焦りばかりであるから、本当に意外な感じがしていたのだ…

「でも、落ちついてきたらアレですねぇ」
 
「あ、うん、否定はできないかもなぁ…」
 と、この場ではある程度話しを合わせておく。

 それよりも、私の脳裏には…
 また再び、律子のさっきの痴艶な痴態が浮かびあがり、そして…

『もしあの電話着信がなかったら…
 あの後の律子はどうなったのだろうか?』
 そんな想いにザワザワと心が騒めき揺らいできていた。




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