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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4       律子とゆかり
 178 嫉妬からの…

 さっきのあの常務室でのセックスは…
 覚悟と心の準備は十分にしていた筈であったのにもかかわらず、佐々木ゆかりという存在との初めての対峙に際し、かなり激しい心の動揺と揺らぎ、いや違う、あれは嫉妬の想いからの揺らぎによる無意識な衝動。

 佐々木ゆかりという存在感を痛感し、嫉妬心という自分自身では殆ど経験の無かった慣れない感情が生んだ…
 大原浩一という最愛な男、オトコを一人占めしたいという、強く、激しい…

 そうあの時の感情は無意識とはいえ…

 強い独占欲が生んだ衝動といえる。

 あの佐々木ゆかりという存在感…
 そしてわたしの怪しい存在をすかさず察知しての彼女の感情の昂ぶりの上下の流れからのオンナとしての余裕すらのアピール。

 そしてもう一人…
 わたしの中で急浮上してきた疑惑の存在といえる蒼井美冴という謎のオンナの存在感と、わたしに向けてきた、まるでわたしと佐々木ゆかり、そして彼との関係の全てを見透かしたかの様なあの不思議な視線。

 それら等々がわたしの心を激しく昂らせ、あの強い嫉妬心を生み…
 それらの感情が濁流の如くに相まっての彼に対しての強く、激しい独占欲という感情によって…
 せっかく自分自身に厳しく律してきていた思いの一線を自ら破り、彼を強く求めるという衝動によるセックスなのだろう。

 更にその衝動からのセックスにより、今までの自分というモノを自ら壊すという激しい感情の起伏が生まれ、そして彼を求め、淫らに乱れ、快感に狂ってしまったのであろうと自分なりに分析をしているのだが、それにより、新たに、もう一人の自分という存在感が心の奥深くに生まれ…
 いや、違う…
 もう一人の自分という、元々心の奥深くに隠れ、眠っていた、いいや、隠していたというその真逆的な存在感を新たに覚醒させ、顕にしてしまったのである。
 
 ううん違うかも…

 その新たなもう一人の自分という存在感は完全には目覚めた訳ではなく、覚醒寸前といえた…
 彼によりもたらされたその激しい、かつて無いほどの快感と絶頂感により覚醒寸前であったのだ。
 
 だが…

 本当にわたしが怖い、怖かったのは…

 その覚醒寸前に至るまでの強く、激しい快感、絶頂感により感じた…

 ナニかが壊れる…
 という感覚、昂ぶり、感情なのであった。




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