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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4       律子とゆかり
 193 帰りのタクシー(5)

「はぁぁ…」
 
 すると、わたしがこんな、やや混乱気味な思考に戸惑い、心を揺らがしているこのタイミングの時に、突然、また再び、前の座席で越前屋さんがため息を漏らしてきたのである…
 そして現実がゆっくりと車内の空気に戻ってきた。

 その空気感の変化を美冴さんは敏感に察した。
 そしてわたしの揺れた心をほぐすかのように、すかさず越前屋さんに声をかけた。

「えー、越前屋さんは何をそんなため息ついてるのぉ?」
 と、尋ねる。

 さすが美冴さんである…
 この素早い機転の反応により、わたしのモヤモヤとした心の揺らぎと動揺の騒めきが少しだけ和らいだ気がした。

「あぁ、は、はい…
 あ、でもぉ、笑わないでくださいねぇ…」
 と、越前屋さんはそんな美冴さんの問いかけに、急にモジモジとしながら…
「え…とぉ……」
 いや、更にモジモジと恥ずかしそうな表情を浮かべ…
「あぁ、でもなぁ……」

「どうしたのぉ、大丈夫だから…」
 と、優しい声音で促す。

「えぇ、あぁ、は、はい………
 じ、実はぁ、あ、あのぉ、今日のぉ、あ、さっきのぉ………」

 そして越前屋さんは、恥ずかしそうに話し始めてきた…

「なんかぁ、さっきのぉ、じ、常務室に入った時からぁ、なんかぁ、あぁ、そ、そぉ、ほ、本当にぃ、最初からぁ、ずうっとぉ……
 お、大原常務さんがぁ、ずうっとぉ、わたしの顔を見つめてきてぇ…
 さ、佐々木室長じゃなくぅ、あ、蒼井さんでもなくぅ…
 ううん、ずうっとぉ、あ、いや、殆どずうっとぉ…
 わ、わたしの顔を見、あ、見つめてきていてぇ..…………….」

 そしてそこまで話すと、下を向き、更にモジモジしてしまう…

「えぇ、そ、そう、あ、うん、そうだったかもねぇ…」
 すると美冴さんが、半分愉快な、いや、笑いを押し殺した感じで優しく相槌をうつ…
「で?…」
 そして越前屋さんを促していく。

 そんな美冴さんの横顔からはからかい半分の楽しさが滲んでみえ…
「でぇ、どうしたのぉ?」
 そして完全にからかいモードのスイッチが入った様でもあった。

 その軽やかさにわたしの心もスウっと軽くなってきた…



 
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