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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 42 反応

 正直なところ、わたし自身も驚いていた。
 朝出勤しての、周りの皆の反応は勿論、予想内の驚きの反応であった。
 だが、笠原主任の驚きの反応は、わたしの予想以上の反応なのであったのだ、いや、驚きから喜びに変わった感じが伝わってきたのである。
 その感じは土曜日に帰宅した時にわたしを見て涙ぐんだ母親に近い反応に感じたのであったのだ。

 そういえば、いつも、ことある毎に笠原主任はわたしを気に懸けてくれ、そして優しい言葉を掛けてくれていたなぁ…
 それにどうやら先日の面談も笠原主任からの推薦の様であったらしい。

 そして何より、わたし自身が驚いていた事は
 心が軽く、軽やかで、なんとなくウキウキしている…
 という事なのである。

 今までは、ただ義務的に、家に引き籠もっている訳にもいかないし世間体を気にする母親の手前もあり、仕事をしていたのだ。
 だが、意外とこのオペレーターという仕事は嫌ではなかったのだが、仕事に対する向上心というモノや、希望、ヤル気というモノはあの頃の、つい四日前迄の心を無理矢理抑制し、無気力状態のわたしには無かった事なのである。
 
 ところがである…
 こうして心の抑制を解除でき、解放し、変身を試みている今、わたしはこの仕事をして、いや、しながら、心がウキウキし、無意識に笑みまで浮かんでいるのだ。
 さすがのわたし自身もこの心境の、心の変わり様には驚いていたのである。

 すると、佐々木ゆかり課長が出勤してきた。
 そして何やら笠原主任と会話をし、わたしの事を見てきたのである。
 わたしはその視線に気付き、お客様対応をしながら佐々木ゆかり課長の顔を見たのだ。
 するとわたしの視線に佐々木課長は気付き、今迄の様に狼狽え気味な表情になっていくのである。
 
 笠原主任はそんな佐々木課長の驚きの様子を見て、何かを話し掛けている。
 そう課長は頷きながらもわたしを見ているのだ。
 ようやくお客様対応が終わり、わたしは先の当日欠勤のお詫びをしようと課長のデスクに歩いていく。

「佐々木課長、木曜と金曜日に急にお休みしてしまい、申し訳ありませんでした…」
 そう言いながら、頭を下げたのだ。

「あっ、いや、は、はい…」
 佐々木課長はそのわたしの言葉になんとなく動揺をしているみたいであった。

「迷惑掛けてしまって…」





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