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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 52 新規事業計画と新規業務案件

 ああ大原部長に逢いたい、電話したい
 せめて電話で蒼井美冴の変貌振りの話しがしたい…
 急に心が昂ぶってきたのである。

「………課長、聞いてますっ…」
「えっ、あ、ごめんなさい…」
 思わず一人の世界に没入してしまった。

「ほら、佐々木課長は今週はお休みもなく、お疲れなのよ…」
 そう笠原主任が助け船を出してくれる。

「あ、ごめん、続けて…」
 そして簡単な報告と、これからの予定を話し合っていく。

「多分、金曜日にはこれから始まるビックプロジェクトである…」
 某保険会社の吸収合併による完全子会社化からの新規事業計画の発表会見があり、そして同時に新規事業計画準備室も発足される予定であること。
 そしてその責任者がわたしがなること。
 それに伴う人事異動の正式辞令が一日前の木曜日に発令されること。
 等々を話したのである。

「うわぁ、マジッすかぁ」
 杉山くんが驚きの声を上げた。

「うん、そうなの…」
 基本的に表面的には大原部長が全責任を負って勧めるカタチにはなるのだが、実質の仕切りはわたしが任されていること等を話したのだ。

「うわぁ、スゲェっす」
 本当に杉山くんは面白い。

「だから…」
 わたしは杉山くんの顔を見て話しを続ける。

「だからこのコールセンター部の今回杉山くんの取ってきた新たな新規業務案件は実質この営業課3人と笠原主任に仕切ってもらうから…」
 勿論、責任はわたしが持つし、最終的な後ろ盾は大原部長が持つ、のだと話したのである。
 そう言うとこの営業課3人と笠原主任の計4人の顔が急に緊張の面持ちとなったのだ。

「よしっ、頑張ります」
 そう営業課3人は頷いた。

「わたしも昔を思い出して頑張らなくちゃ」
 そう笠原主任も言ってきた。

「笠原主任っ、カッケーっすよ」
 この杉山くんの言葉に皆は爆笑し、少し緊張もほぐれたのだ、そして何よりこの4人の連帯感が生まれた様にわたしには見えたのである。

「当面は二つある会議室の一つを準備室にします…」
 そして今回の新規業務案件により、スタッフ等の人員も増えるので、このビルの二つ上の階の空いているフロアの半分を借りる事に決定し、そちらに今回の新規業務案件関係等は移る事になりますね、そしてそれが8月中です…

 とりあえずはここで一旦終了した。




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