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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
71 専務の狙い
「電話終わったんですかぁ、冷めちゃいますよぉ」
私が席に戻ると、越前屋朋美がニコニコと微笑みながらそう言ってきた。
本当に彼女の笑顔には心が和む。
「よしっ、食うか」
「はいすっごく美味しいです、今までの人生の中で一番美味しいです」
そう言う彼女の声が大きくて、このカウンターの周りのお客さんや、焼いているコックにまで聞こえてしまい、周りの皆が笑ってきたのである。
「いやぁ、お客様、非常に嬉しいです、作り甲斐がありますよ、ありがとうございます」
と、目の前で焼いているコックが礼を言う。
「あ、は、はい…」
こんな感じで、本当に彼女は一緒にいて楽しいのである。
そして、また、再び
『よかったです…
あなた、浩一さんに付いていって…』
というゆかりの囁きが聞こえてきた。
実はこの昇進は山崎専務が仕掛けたモノなのである。
事実、ゆかりの能力を評価しての昇進なのだが、本社に対しての己のアピールでもあるのだ。
そして山崎専務曰く、本社、支社、直系系列会社合わせても30歳での女性部長は確か4人目らしいのである。
これにより注目を集めて、今回の新規事業を成功させ、一気にのし上がる腹づもりなのだ。
確かに成功すればこれからの生命保険の新しいカタチを作り、新鋭、新進の保険会社を作り上げる事になるのである。
だがそれは私達二人の肩に懸かっている訳であり、その為の足掛かり的な私達の昇進なのである。
そして失敗したら私の腹を切らせればいいという青写真なのだ。
だから、何が何でも成功させ、ゆかりの地位を頑なにし、更なるキャリアアップに繋げてやりたいと思っているのである。
『よかったです…
あなた、浩一さんに付いていって…』
そして絶対にその言葉に後悔はさせない…
そう思っていたのだ。
「はぁぁ、お腹いっぱいですぅ」
そんな私の力みを緩ませるような彼女の声が聞こえた。
そして何気ななく彼女を見る。
この越前屋だって、普段はこんな感じだが、相当な鋭い爪を隠し持っている筈なのだ…
この数日間彼女と一緒にいて、その事は強く実感していた。
佐々木ゆかり新部長、越前屋朋美、そして新たに蒼井美冴、という新兵器も揃ったのだ。
大丈夫、絶対やる、成功させる…
不思議に自信が湧いてくるのであった。
「電話終わったんですかぁ、冷めちゃいますよぉ」
私が席に戻ると、越前屋朋美がニコニコと微笑みながらそう言ってきた。
本当に彼女の笑顔には心が和む。
「よしっ、食うか」
「はいすっごく美味しいです、今までの人生の中で一番美味しいです」
そう言う彼女の声が大きくて、このカウンターの周りのお客さんや、焼いているコックにまで聞こえてしまい、周りの皆が笑ってきたのである。
「いやぁ、お客様、非常に嬉しいです、作り甲斐がありますよ、ありがとうございます」
と、目の前で焼いているコックが礼を言う。
「あ、は、はい…」
こんな感じで、本当に彼女は一緒にいて楽しいのである。
そして、また、再び
『よかったです…
あなた、浩一さんに付いていって…』
というゆかりの囁きが聞こえてきた。
実はこの昇進は山崎専務が仕掛けたモノなのである。
事実、ゆかりの能力を評価しての昇進なのだが、本社に対しての己のアピールでもあるのだ。
そして山崎専務曰く、本社、支社、直系系列会社合わせても30歳での女性部長は確か4人目らしいのである。
これにより注目を集めて、今回の新規事業を成功させ、一気にのし上がる腹づもりなのだ。
確かに成功すればこれからの生命保険の新しいカタチを作り、新鋭、新進の保険会社を作り上げる事になるのである。
だがそれは私達二人の肩に懸かっている訳であり、その為の足掛かり的な私達の昇進なのである。
そして失敗したら私の腹を切らせればいいという青写真なのだ。
だから、何が何でも成功させ、ゆかりの地位を頑なにし、更なるキャリアアップに繋げてやりたいと思っているのである。
『よかったです…
あなた、浩一さんに付いていって…』
そして絶対にその言葉に後悔はさせない…
そう思っていたのだ。
「はぁぁ、お腹いっぱいですぅ」
そんな私の力みを緩ませるような彼女の声が聞こえた。
そして何気ななく彼女を見る。
この越前屋だって、普段はこんな感じだが、相当な鋭い爪を隠し持っている筈なのだ…
この数日間彼女と一緒にいて、その事は強く実感していた。
佐々木ゆかり新部長、越前屋朋美、そして新たに蒼井美冴、という新兵器も揃ったのだ。
大丈夫、絶対やる、成功させる…
不思議に自信が湧いてくるのであった。