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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1

85 完璧な演技
8月5日火曜日午前7時15分
「おはよう越前屋くん」
「あ、大原本部長おはようございます」
私は朝イチで越前屋朋美に電話をする。
「昨夜言い忘れちゃったんだが、あのシステムエンジニアのあの子…」
「はい、中島彩美ですね」
「あっ、そう、その彼女にもこっちのコールセンター部に出社してもらいたいんだが…」
いきなりなので遅れても構わない…
と、越前屋朋美に云う。
「わかりました、すぐに連絡してみます、確か彼女は町田なんでコールセンター部の方が近いはずです…」
このコールセンター部は副都心にあるのだ。
「そうか、じゃ、よろしく頼むよ」
「はい、了解でぇす」
と、朝から元気な声で返事をしてきたのである。
私は本当に彼女には癒される感じがする。
「あっ、そういえば本部長、最近…」
最近なんだ?…
「ダックのネクタイしてこないんですね」
「あ、いや…」
と、朝から一発かまされてしまった。
だが、彼女のコレで気分は元気になったのだ。
よし、これで、何やら美冴のプログラムと中島のプログラムを検討できる…
いよいよだ。
そして朝イチにシャワーを浴び、身支度を整えて出勤する。
一瞬だけ、その例のダックのネクタイをしていこうか、と考えたのだが止めたのだ。
なぜならば、朝からゆかりに変に勘ぐられるのが嫌であったから、だからその為に弱冠出社を定時より少しだけ遅らせたのだ…
なぜならそれは、いきなり美冴とバッタリ会うのを避ける為に。
今朝の朝イチだけは美冴を初めて見た驚きの演技をしなくてはならない、だがある意味、私には電話より難しそうなのだ…
だが、その心配はすぐに杞憂に終わった。
朝、出勤をし、いつもの様にゆかりがコーヒーを煎れてくれ、口をつけた時であった、不意に美冴が部長室を訪れてきたのだ。
それに私は思わず動揺してしまい、コーヒーを少し溢してしまうという、コントのような失態をしてしまったのである。
「大原部長おはようございます、本日から新たに正社員雇用制度でお世話になります蒼井美冴です…」
その美冴の演技は完璧であった。
まるで女優であったのだ。
本当に初めて私と話すような緊張感溢れる演技であった。
だからこそ余計に動揺してしまったのだ、だが、その動揺がかえって功を奏したのである。
8月5日火曜日午前7時15分
「おはよう越前屋くん」
「あ、大原本部長おはようございます」
私は朝イチで越前屋朋美に電話をする。
「昨夜言い忘れちゃったんだが、あのシステムエンジニアのあの子…」
「はい、中島彩美ですね」
「あっ、そう、その彼女にもこっちのコールセンター部に出社してもらいたいんだが…」
いきなりなので遅れても構わない…
と、越前屋朋美に云う。
「わかりました、すぐに連絡してみます、確か彼女は町田なんでコールセンター部の方が近いはずです…」
このコールセンター部は副都心にあるのだ。
「そうか、じゃ、よろしく頼むよ」
「はい、了解でぇす」
と、朝から元気な声で返事をしてきたのである。
私は本当に彼女には癒される感じがする。
「あっ、そういえば本部長、最近…」
最近なんだ?…
「ダックのネクタイしてこないんですね」
「あ、いや…」
と、朝から一発かまされてしまった。
だが、彼女のコレで気分は元気になったのだ。
よし、これで、何やら美冴のプログラムと中島のプログラムを検討できる…
いよいよだ。
そして朝イチにシャワーを浴び、身支度を整えて出勤する。
一瞬だけ、その例のダックのネクタイをしていこうか、と考えたのだが止めたのだ。
なぜならば、朝からゆかりに変に勘ぐられるのが嫌であったから、だからその為に弱冠出社を定時より少しだけ遅らせたのだ…
なぜならそれは、いきなり美冴とバッタリ会うのを避ける為に。
今朝の朝イチだけは美冴を初めて見た驚きの演技をしなくてはならない、だがある意味、私には電話より難しそうなのだ…
だが、その心配はすぐに杞憂に終わった。
朝、出勤をし、いつもの様にゆかりがコーヒーを煎れてくれ、口をつけた時であった、不意に美冴が部長室を訪れてきたのだ。
それに私は思わず動揺してしまい、コーヒーを少し溢してしまうという、コントのような失態をしてしまったのである。
「大原部長おはようございます、本日から新たに正社員雇用制度でお世話になります蒼井美冴です…」
その美冴の演技は完璧であった。
まるで女優であったのだ。
本当に初めて私と話すような緊張感溢れる演技であった。
だからこそ余計に動揺してしまったのだ、だが、その動揺がかえって功を奏したのである。

