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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1

86 昇進
「ああ、もう、本部長ったらぁ」
ゆかりの目の前でのマジでのコーヒー溢しであったから、全く疑われる余地がなかったのだ。
ゆかりは慌てて雑巾で、溢したコーヒーを拭いてきた。
そして私はその挨拶に来た美冴の姿を見て、本気で驚いていたのである。
いや、なんてことだ…
目の前にいる美冴は、上下グレーに、細く薄い、白のピンストライプの入ったスーツに白いブラウスの、いかにもできるOL風の姿であるのだ。
それに、より薄く、輝くような艶の光沢のある、フェチ心を魅了してくる美しいストッキング脚に、思わず見とれてしまう程であったのである。
そして何より驚いたのが本当にもの凄く若く見えるのだ、確か37歳の筈であるのに、まるで30歳のゆかりと変わらない感じに見えるのだ。
私のその思わずマジで見とれた様子に、すかさずゆかりが反応してきた。
「ゴホン…」
「あっ…」
昨夜ゆかりから電話で云われていた
『ダメですからね、変な目で見ちゃ…』
という言葉が、その時、瞬時によぎってきたのである。
「あ、うん、ああ…」
演技なんかではない、マジで慌ててしまっていた。
そして目の前の美冴も、隣のゆかりも、そんな私の間抜けな慌てぶりに思わず笑ってしまうのである。
「もぉ、本部長ったら…」
ゆかりが思わず笑いながらそう云った。
「わたしが元『黒い女』だったから驚いてしまったのですね」
美冴もそうたたみかけてくる。
「あ、いや、まあ、そんなとこだ…」
そして、よろしく…
と、声を掛ける。
全く締まらない展開になってしまった、だが、この本気の慌て振りに、朝イチの難関は無事にクリアしたのであった。
「ところで、本部長って…」
そう美冴が訊いてきた。
「うんそうなの…」
今度、本部長に昇進なさって…
と、ゆかりが云う。
「ええ、すごい、おめでとうございます」
美冴がそう云ってきたので、すかさず私は
「それより、佐々木ゆかり課長が今度、部長に昇進したんだ」
「ええっ」
美冴は驚きで絶句する。
「明後日に正式に通達辞令があるんだが、8月1日付けだから、もう部長な訳だ」
と、私は続けた。
「すごいわ…この若さで部長なんて…」
「もお、蒼井さん、やめてくださいよ、ま、何か流れで…」
「ええっ、部長ぉってぇっ…」
「ああ、もう、本部長ったらぁ」
ゆかりの目の前でのマジでのコーヒー溢しであったから、全く疑われる余地がなかったのだ。
ゆかりは慌てて雑巾で、溢したコーヒーを拭いてきた。
そして私はその挨拶に来た美冴の姿を見て、本気で驚いていたのである。
いや、なんてことだ…
目の前にいる美冴は、上下グレーに、細く薄い、白のピンストライプの入ったスーツに白いブラウスの、いかにもできるOL風の姿であるのだ。
それに、より薄く、輝くような艶の光沢のある、フェチ心を魅了してくる美しいストッキング脚に、思わず見とれてしまう程であったのである。
そして何より驚いたのが本当にもの凄く若く見えるのだ、確か37歳の筈であるのに、まるで30歳のゆかりと変わらない感じに見えるのだ。
私のその思わずマジで見とれた様子に、すかさずゆかりが反応してきた。
「ゴホン…」
「あっ…」
昨夜ゆかりから電話で云われていた
『ダメですからね、変な目で見ちゃ…』
という言葉が、その時、瞬時によぎってきたのである。
「あ、うん、ああ…」
演技なんかではない、マジで慌ててしまっていた。
そして目の前の美冴も、隣のゆかりも、そんな私の間抜けな慌てぶりに思わず笑ってしまうのである。
「もぉ、本部長ったら…」
ゆかりが思わず笑いながらそう云った。
「わたしが元『黒い女』だったから驚いてしまったのですね」
美冴もそうたたみかけてくる。
「あ、いや、まあ、そんなとこだ…」
そして、よろしく…
と、声を掛ける。
全く締まらない展開になってしまった、だが、この本気の慌て振りに、朝イチの難関は無事にクリアしたのであった。
「ところで、本部長って…」
そう美冴が訊いてきた。
「うんそうなの…」
今度、本部長に昇進なさって…
と、ゆかりが云う。
「ええ、すごい、おめでとうございます」
美冴がそう云ってきたので、すかさず私は
「それより、佐々木ゆかり課長が今度、部長に昇進したんだ」
「ええっ」
美冴は驚きで絶句する。
「明後日に正式に通達辞令があるんだが、8月1日付けだから、もう部長な訳だ」
と、私は続けた。
「すごいわ…この若さで部長なんて…」
「もお、蒼井さん、やめてくださいよ、ま、何か流れで…」
「ええっ、部長ぉってぇっ…」

