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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 92 武石健太 ①

 8月5日火曜日午前8時…
 俺は、いよいよ今日から大学時代からの長年の憧れの『姫』こと、佐々木ゆかり課長と一緒に仕事が出来ると張り切っていた。

 昨夜は嬉しいのと、この前のホテルでの衝撃の一夜のあの出来事…
 つまり初めて『姫』という存在と出会った夜をまるで再現したかのような流れの出来事が脳裏から消えなくて興奮し、疼き昂ぶってしまい思わず自慰行為をして鎮め、ようやく寝た位であったのだ。

 あの夜はあともう少しで長年想い、追い続けていた憧れの『姫』という存在を完全に自分のモノに出来るところだったのだが、本当にあと一歩という流れで自分の弱さのせいで掌からスルリと抜け落ちてしまい、また昔のあの頃の憧れ的な存在に戻ってしまったのである。
 そして昨夜の自慰行為によって昂ぶりが鎮まり、冷静になった時にある想いが浮かんだのだ。

 それは
 結局はあの頃からの関係は超えられないのだろうな…
 と、いう想いであった。

 だがこの前の夜の出来事により、あの当時のオーストラリアに留学した『姫』ゆかり先輩を追い掛けてまで自らもオーストラリアに留学し、結局再会できなかった時に生まれたあの空虚な想いは埋める事が出来たのである。
 それにその後の、判明した同じ会社に就職していたという奇跡的な偶然に、また『姫』への憧憬の想いが再燃され
 再び追い掛けていくのだ…
 と、いう想いにより、この会社内における自分の存在を高める事にうまく結び付けられて、ようやくまた再び追い着くことが出来たのだと思う。

 それで十分なんじゃないか…
 そして、そうとも思っていた。

 こうして今振り返ると、『姫』佐々木ゆかり先輩を憧れて追い続けていたという事が、あの大学時代から現在に至るまでの流れの全てのプラスになっているんだ…
 それがよくわかったのである。

 だから、今はこれで、ここまでで十分なんだと思う…
 この追い続けてきていた8年間を考えたら十分な関係が再び構築できたのだと思えてきていたのだ。

 あとは、これからだ、これから追い掛けるのではなく、自分の力で彼女に追い掛けさせる…
 つまりは彼女を追い抜く、という事を目標にしていけば良い結果が、良い流れが付いてくるのではないのか、と考えられる様になってきていたのである。

 でも、本当に、ある意味ストーカーだな…




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