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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 94 武石健太 ③

 スゲぇ、ヤバい、綺麗な人だ…
 思わず見とれてしまう。

 だか、このビルには他の会社も入居している、だからうちとは限らないし、それに事前の同期達からのリサーチにもこのコールセンター部にこれほどの美女がいるとは訊いてはいなかったのだ。
 その代わりどうやら『黒い女』という不思議な存在の噂を訊いていたのである。

 いつも真っ黒の服しか着ない女…
 それはそれで興味深かった。

 この綺麗なお姉さんは違う会社なのかなぁ…
 だが、そんな思いをしながら並んだ順番の流れのままに一緒にエレベーターに乗った。
 そしてドアが閉まり、ふとこの中では男は自分一人である事に気が付いたのだ、そしてもう一つ気付いた事があった。

 うわっ、見られてる…
 そうなのだ、この狭いエレベーターの中に乗っている約15名前後の中で男は自分一人、しかもドア付近に立っていた、だから後ろからの視線の集中が背中に痛い程感じてくるのである。
 彼女達からすれば
 見た事ない若い男が乗っている…
 と、いう事なのであろう。

 うわぁ、ある意味辛いわ…
 いつもと真逆のシチュエーションに複雑な昂ぶりも感じてしまっていた。
 そして目的フロアに到着すると、ほぼ全員がエレベーターを降りたのだ。

 み、みんなコールセンター部なのか…
 複雑な昂ぶりであった。

 天国か地獄か…
 元々の年上キラーのナンパ師の軽い気持ちがそう警告をしていたのである。

 あっ…
 だが、さっきの美女も降りたのだ。

 同じ会社だ…
 これは嬉しい事実である。

 憧れのゆかり先輩に勝るとも劣らない美女だった…
 これはリサーチにない嬉しい事実でもある。

 やはり流れはいいんだ…
 そう自分は全てプラス思考なのである、そしてこれがいい流れを呼ぶ事も自覚していたのだ。
 だから、座右の銘は
『いつも心に微笑みを…』
 と、いうくらいなのである。


「おはようございます、今日からこの
『新規事業計画準備室』でお世話になります、武石健太です…」

 すると目の前にその綺麗な美女もいたのだ、そして俺の顔を見て

「おはようございます、わたしも一緒よ、
 蒼井美冴といいます、よろしくお願いしますね…」
 そう云ってきたのである。

 うわぁ、ヤバい、一緒だ…

 朝からいい予感しかしなかったのだ。





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