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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 99 武石健太 ⑧

 そしてこの酒宴の席ではゆかり部長の手を煩わせる訳にいかない、また、男は大原本部長の他は俺以外にはいないのである、当然、俺が動くしかないのだ。
 それに俺の中の『姫』であるゆかり部長の為に、どんどん動く事が俺の喜びでもあるのだから。

「じゃあ、今日はほとんど存在感なかったので仕切りさせてもらいますね…」
 と、俺が率先する。
 飲み物の注文、おつまみ、料理等を適当に見つくろって注文をした。
 そして乾杯の生ビールを全員の手元に届いた事の確認をする。

「では、大原本部長から乾杯をお願いします」
「ああ、じゃあこれからがこの『佐々木ゆかりチーム』のスタートです、皆よろしく、じゃ…乾杯」
「カンパーイ…」
 酒宴が始まった。

 さあ、ここからが俺の『お姉さんキラー』としてのスタートだ。
 一応、ゆかり部長のチェックをする。
 すると、大原本部長と越前屋の三人で談笑を始めていた。
 となると、俺が隣の蒼井さんと話しても普通の展開なのである。

「蒼井さんは本部長や部長とは面識あるみたいですね…」
「ええ、そうなんですよ、わたし先週迄はコールセンターのオペレーターしてたんですよ…」
「ええっ、そうなんですかっ」
 普通に驚いた。
 オペレーターをしてての正社員雇用は、ますますの謎なのである。

「え…と、武石くんは…」
「あっ、健太でいいですよ」
「あ、はい、じゃあ、け、健太さん…」

 ゾクッとした…
 その蒼井さんのややハスキーな声、そしてはにかむ顔に、一瞬にしてすっかり魅了されてしまったのである。

 うわぁぁ、美しいのにかわいいんだ…
 大人の女なのにかわいい、ズバリ、俺のドンピシャのタイプなのである。
 このギャップに心が惹かれてしまうのだ。

「健太さんは、佐々木部長と…」
 以前からお知り合いみたいで…
 と、話してきたのである。


「そうなんですよ、俺は大学の直の後輩で…」
 さすがにゆかり部長の過去は話せない、そこら辺を差し障りないように話していく。

「へぇ、そうなんだぁ、佐々木部長の大学時代を見てみたいわぁ…」

「よいしょっ」
 と、いいながら、堀コタツ式の足元を持ち上げて、俺の方に爪先を向けるカタチの横座りをしてきたのだ。



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