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シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング 1
 105 蒼井美冴 ③

「ああ、気持ちいい…」
 わたしはそう呟きながら自ら揉んでいく。

 そして武石健太はその様子を昂ぶった想いの目で、視線を外せない感じで凝視してきていた。

 ズキンっ…
 そう疼きが教えてくれる。

 間違いない、彼も、いや、健太くんはストッキング脚フェチだ…
 それは彼の目を見れば一目瞭然であるのだ。

 すると…

「あー、蒼井さん、越前屋朋美ですぅ、これから是非よろしくお願いしますぅ」
 越前屋さんがそう言いながらわたしに挨拶をしにきたようで、わたしと健太くんの間に割り込む様に、ビール片手に座ってきたのである。
 すると彼は、その彼女の動きに少し押されてしまい、うっかりテーブルの上にあったお箸を堀コタツ式の足元に落としてしまったのだ。

「あっ」
「あらっ、武石さんごめんなさい」
「いや、大丈夫…」
 彼はそう言ってお箸を取る為に上半身を堀コタツ式の床下に潜らせる。

「よいしょっ…」

 よしっ、少し悪戯してやろうか…
 
 その時、わたしは自分のストッキング脚の爪先を、下に潜った彼の顔前にスーッと伸ばしていった。
 そしてその爪先で、彼の右の頬をツーっと撫でていき、続けて今度はその爪先をゆっくりと彼の鼻先に動かしていく。
 
 わたしのストッキングに包まれたピンク色のペディキュアの爪先が、ゆっくりと彼の目の前に伸びていき、鼻先に触れようとしていたのだ。
 そしてわたしは、自分自身のそんなフェチ的な衝動に興奮し、疼きを増していくのである。

 ドキ、ドキ、ウズ、ウズ…

 と、その時だ…

「武石さぁん、お箸取れましたかぁ」
 今、正に、わたしの爪先が彼の鼻先に触れようという直前であった、越前屋さんがそう言って堀コタツの中を覗いてきたのだ。
 わたしはその瞬間に爪先をスッと動かし、元に戻す。

「あっ、うん、取れたよ…」
 健太くんはそう言って、手にした箸を越前屋さんの目の前に見せていた。

「よっこいしょ」
 すると彼はそう言って上半身を起こし、脇に座っている越前屋さんの肩越しに、わたしの顔を見てきたのである。
 
 あっ…

 ほんの一瞬、一瞬だけ目があったのだが、その時に
「おおっ、上野くん来たか、お疲れさま」

 そう言う大原本部長の声がしてきて、わたしは吊られてスッとそっちに視線を動かしたのだ…








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