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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 12 友達…

 帰宅して、寝支度を整えてベッドに横になっても

 友達がほしい…

 という、タクシーの中で浮かんだ想いがぐるぐると脳裏に渦巻き続けていた。
 そしてその想いに伴い、ザワザワ感も昂ぶっていたのである。

 友達がほしい…

 こんな衝動的な想いは初めてであった。

 友達って…
 どこからが友達の定義なんだろうか…

 小等部時代、毎日一緒に登下校した子はいる、塾や習い事、スイミングスクールとバレエ教室、一緒に通い、遊んだ子もいる。
 中等部から高等部まではバスケットボール部に入っていた、弱小ではあったが毎日のように練習し、放課後には一緒に寄り道や買い食い等もした、そして試合も経験した。
 
 それらは友達ではないのか…

 あっ…

 オナニーを教えてくれた子もいる、そして一度だけ、二人でこっそりやり方を教わった…

 友達ではないのか…

 友達って何なんだ…

 子供の頃、寂しいと思った事はなかった、学校でも、塾でも、習い事でもいつも誰かと話していたし、いつも一緒に通ったりしてしていた。 
 一人ぼっちではなかった。

 あっ…

 でも…

 段々と昔を思い出してきた。

 小等部時代から普通に勉強はできていた、いつも成績は上にいた…

 スポーツも普通にできていた、走る事は得意であったし、球技も普通に何でもできた…

 弱かったがバスケットボール部ではエースであった、チームの殆どの得点を決めていた…

 だからクラスでは一人になった事はなかった…

 だが…
 思い出したのだ。

 交換日記だ、当時、クラス内で交換日記が流行っていた、だが、わたしは馬鹿にしてやらなかった、だけど本当はしたかったのだ…
 そして気付くと交換する相手がいなくなっていたのだ。

 あっ…

 クラスメイトの家に遊びに行った記憶がない…

 遊びに来てくれた記憶がない…

 誕生日会に呼ばれた記憶がない…

 夏休み、冬休み、春休み…

 そうだ、いつも一人だった…
 
 だがなぜだろう、寂しかった記憶がないのである。
 多分、寂しくはなかったのだ。
 一人で全然平気だったのだ。

 そうだ、家ではいつも本を読んでいたのだ…
 長期の休みはいつも本を読んでいた、図書館に毎日のように通っていたのだった。

 だから寂しくなかったのだ…

 

 
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