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第9章 絡まるストッキング3　　　　　　大原本部長と佐々木ゆかり部長

　14　きっかけは…

『黒い女』蒼井美冴…

　そうだ、この全ての変化を生んだきっかけは蒼井美冴という存在のせいなのである。

　蒼井美冴…

　彼女の妖しい、魅惑的な美しさが、このわたしの全ての変化、嫉妬心を生んだのだ。
　そうなのだ、初めて彼を、大原浩一を、もしかしたらあの妖艶な魅力で盗られてしまう、と、初めて嫉妬心というモノを意識したのが彼女、蒼井美冴であった。
　
　それからだ、このわたしが変化したのはそれからなのだ…

　そして…

　そして…認めたくはないが、秘かに彼女に憧れを抱いている…
　それは月曜日の朝に変身した美しい彼女の姿を初めて目にした時にはっきりとわかった、自覚したのだ。


　そうだ、いた、蒼井美冴だ…

　彼女なら、蒼井美冴なら、友達になれるかも、交換日記がしたいかも…

　彼女を見ると、考えると、想うと、こうして、ドキドキ、ザワザワする…

　彼女の声を聞くと騒めいてしまう…

　そうなのだ、正直、あの魅惑的な魅力に魅了されているのである…

　いや、憧れている…

　蒼井美冴に憧憬の想いがある…

　蒼井美冴とじっくりと、色々話してみたい…

　『黒い女』になったきっかけの話しを訊いてみたい…

　変身のいきさつの話しを訊いてみたい…

　どこかに一緒に出掛けてみたい…

　食事に行ってみたい…

　いや、電話でもいいのだ…

　声を聞いて、話しをしてみたい…


　そうなのだ、蒼井美冴だ、彼女がいた…


　蒼井美冴と友達になりたい…
　そうだ、電話番号は知っている。


　電話を掛けてみようか…
　急にドキドキしてきた。


　どうしようか…
　ザワザワが増してくる。


　どうしよう…か…


　全然眠れない…

　生理中だから自慰行為をしてサクッと眠る事も出来ない…

　どうしよう…

　頭の中が蒼井美冴でいっぱいになってしまっている…
　ザワザワが、ドキドキが、ウズウズがどんどん増してくる。

　電話をしようか…
　携帯電話を手に取る。

　どうしよう…