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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 16 タイムリー

「いらっしゃいませ」
「おお、大原くん…」
 私は山崎専務に呼ばれ、銀座のクラブ
『へーラー』に着た。
 既に、山崎専務、ママ、松下律子が待っていたのだ。

「大原さんいらっしゃいませ」
 律子がおしぼりを手渡してくる。
 濃紺のカラダのラインがはっきりと見える、ボディコンシャスなタイトなワンピースに限りなく透明に近い、そして魅惑の艶のある黒いストッキング。
 彼女は相変わらず今夜も美しい。

「ありがとう…」
 私はそう言って彼女を見ると魅力溢れる笑みを浮かべてくる。

 一瞬にしてその魅力的な笑みに心が疼いてしまうのだ。

 佐々木ゆかり、蒼井美冴と二人も劣らない魅力的な美しさがあるのだが、この松下律子もなんとも表現し難い魅惑的な美しさなのである。
 彼女の笑みを見ると、あの逃げ帰ってしまったような土曜日の深夜以来なのだが、胸が昂ぶってしまう。

「今日は例の彼女も連れて本社に来たんだってな」
「あ、はい、人事部と総務部に顔を出してきました…」
 さすが山崎専務の情報網である、何でも知っていた。

「人事部の鈴木くんが彼女を褒めていたよ」
「はあ、そうですか、でも嫌味にしか聞こえなかったんですけど…」
「まあそう言うな、鈴木くんはキミに抜かれた事を内心面白く思っていないからなぁ」
「はあ、それはよくわかりました」
「うん、そうか…」
 奴にはキミ、大原くんのようなハナが、華がないからなぁ…
 山崎専務は続けてそう言ってきたのだ。

 すると律子は黙って軽く頷いてくる。
 彼女には何でもわかるようだ。

「だが、あれは実によかった、見事なタイムリーだよ」
「あ、はい、そうですね…」
 例の杉山が取ってきた、テレビ局相手のアウトバウンドな新規業務案件の事である。

「あれがタイムリーだったから、本社内からは誰一人としてクレームが出なかった…」
 確かにそうなのだ、売り上げ見積もりの金額を見ても誰も文句の付けようがないゆかりの実績なのだ。
 おかげで本社内には、実力での部長昇進であるとアピールできたのである。

「すごいわ…部長に昇進だなんて…」
 聞いていた律子がそう驚いて呟いた。

「ああ、そうなんだよ、それにすごい美人だし、すっかり本社内の話題の中心になっていてな…」

 律子の呟きを聞いた山崎専務がそう言ってきたのだ…





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