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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 61 力強い二人の味方

 ああ、ついに…
 
 ゆかり室長と二人切りで食事に行く…

 ついにゆっくり話しができるのだ…

 胸が、心が、ザワザワと昂ぶってきていた、そしてその昂ぶりは危険な自律神経の昂ぶりではなく、純粋な心の昂ぶりである。

 大丈夫だ…

 心配はない…


「佐々木室長ぉ…」
 すると向こうで越前屋朋美さんが声を掛けてきた。
 やはり配置構成での意見が様々あるようなのだ。
 だが、わたし自身以外の配置は実にバランスの取れた、ゆかり室長のやり易い構成だとわたしには感じられていた

 それよりわたしの事である…

 とりあえず主任を受けよう、今は受けるしかない、それが、彼の、大原本部長の意向なのであれば仕方がないのだ…

 受けるしかないのだ… 

 ただ『黒い女』から復活してまだ僅かに一週間しか経っていないのである、本当に、あまりにも展開が急過ぎるのだ。
 心の動きが付いていけない位であった。

 だが、わたしには大原本部長がいる…

 そして武石健太くんがいる…

 力強い味方が二人出来たのである。

 とりあえず頑張ろうか…

 頑張ってみようか…

 現実のところ、仕事が面白くて、毎日が楽しくて、堪らないのである。

 心が復帰した途端に仕事で周りから求められた、いや、求められている…

 あの時は、
 まだ早過ぎる…
 と、否定されたプログラムがようやく時代が追いついてきて、今やわたしにとっては、なくてはならない新兵器となったのだ。

 これが面白くないはずがない…

 これが楽しくないはずがない…

 そうなのだ、あの復活から僅か一週間、毎日がキラキラと輝いているのである。
 心が充実しているのだ。

 ただ、展開が、展開のスピードが早過ぎるのである。
 もう少し、心のリハビリ的な期間が欲しいのも事実ではあった。
 だが、それを大原本部長が助けてカバーしてくれている、そして武石健太という若いスペア的だがパワフルな存在もできたのだ。

 それに今夜、あの、佐々木ゆかり室長と食事に行けるのである。

 色々と話す事ができるのだ…

 色々と打ち明けられるのだ…

 もしかしたら相談も出来るのかもしれないのだ…

 すると武石健太くんからメールが来た。

『今夜も食事に行きませんか…  健太』

『今夜は先約あり、ダメ…』
 




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