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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 116 サディスティック ②

 わたしは急に、生理になってしまったのである…

 先ほどの中華レストランで、ママからの電話の後に急に違和感を感じ、トイレで確認し、処置をしたのだ。
 そしてその内彼に、生理を告げようと思っていたのだが、激しく揺れ動くわたしの感傷の感情もあって、なかなか告げられずにいたのである。
 そして山下公園での熱く、激しい抱擁の後に、急に彼は、わたしに有無を言わせない勢いでホテルにチェックインしてしまったのでタイミングを無くしてしまい、生理を告げられなかったのである。

 だが、だから、だからこそ、今夜は彼を愛してあげたいのだ…

 感じさせてあげたい…

 攻めてみたいのだ…

 そんなサディスティックな衝動が、昂ぶってきていたのである。

 そしてわたしは振り返り、彼の目を、恐らく著しく欲情した目で見つめながら、ネクタイを外していく。
 彼はそんなわたしの様子をやや呆然としながら、そんな昂ぶった想いの目で為すがままに、動きを眺めていたのだ。
 わたしはこのサディスティックな衝動を心に秘め、ネクタイを外し、そのままワイシャツのボタンを一つ一つ外してく。
 そしてボタンの五つ目を外した時であった。
 ワイシャツの両肩部分を両手で掴み、グイッと後ろに引く感じに引っ張ったのだ。

「あっ…」
 思わず彼は声を出した。

 このワイシャツの袖口のボタンは外していないので、この態勢だとワイシャツは脱げずに、まるで両腕を後ろ手で絡めた感じになり、彼の自由を奪ったカタチになったのである。
 そしてわたしは、露わになった彼の胸に唇を這わせていくのだ。

「あ、お、おい、律子っ…」
 彼はまるで後ろ手に縛られた様な感じになって、両手の自由が効かなくなり慌てていた。

「うふふ…」
 わたしは笑みを浮かべながら、彼をベッドに押し倒し、そのまま上になり、胸に唇を這わせ、乳首を弄っていく。
 するとわたしの鼻腔が、魅惑的な彼の体臭を感じ、心が震えてきたのだ。

 そうなのだ、彼の体臭は、亡き父親の体臭と同じ香りなのである…

 初めて銀座のクラブで彼の隣に座った時に、わたしは彼のこの体臭を感じた時に、思わず懐かしさに心が震えてしまったのであった。







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