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シャイニーストッキング
第9章 絡まるストッキング3      大原本部長と佐々木ゆかり部長
 133 和哉

「えっ…」

「あっ、えっ、み、美冴さん…」

 ドキドキドキ…

 ま、間違いない…

「えっ、あ、か、和哉なの…」

 間違いない、レジの店員はあの和哉であった。

 ドキドキドキドキ…

 胸が張り裂けそうなくらいに一気に昂ぶってくる。

「あっ…」

「えっ…」

 その時後ろから、他の若いグループがガヤガヤと騒々しくレジに来た。
 わたしはそれで、すかさずレジから離れ、逃げるように店を出る。

 いや、逃げたのだ…

 あまりの衝撃に逃げてしまったのである。

 ドキドキドキドキ…

 なんで…

 なぜ…

 なぜ、和哉がいたの…

 あっ、そうか…

 そうか、大学生か…

 もう大学生なのか…

 いや、あれから5年だ…

 大学4年なのか…

 ドキドキドキドキ…

 えっ…

 この大学なのか…

 わたしは突然の和哉の出現に、慌てて、動揺し、狼狽えてしまっていた。

 なぜに今、和哉なのか…

 なにかの…

 なにかの、不思議な…

 不思議な悪戯なのか…

 わたしは狼狽えてしまっていた。

 そして再び、落ち着いていた筈の自律神経が激しく疼き始めてきたのであった。

 ドキドキドキドキ…

 ああ、ヤバいかも…

 とりあえず何とか自宅には辿り着いた。


 ああ…

 ヤバかった…

 ああ…

 なんて夜なんだ…

 わたしは慌てて布団に潜り込む。

 とりあえず、とりあえず、ベッドの、布団の中に潜っていれば…

 落ち着くのを待つしかない…

 自律神経の暴走という嵐が…

 嵐が過ぎ去るのを…

 待つしかない…

 今となっては待つしかないのだ…



 そしてこの嵐が吹き荒れ、ウネリを作り、波になる、そしてその波が渦を作る…

 そのなにかの渦が…

 そのなにかが、ぐるぐると渦を巻き始めてきているような気がしていた…






 第9章 絡まるストッキング3
   大原本部長と佐々木ゆかり部長

         完






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