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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4      和哉と美冴1
 95 5年前、あの後…(2)

「あっ…」

 今度は僕が美冴さんの顔を両手で挟み、キスをした。

 あぁ、みさえさん…

 僕はそのキスに心が震え、蕩けてしまう。

「み、みさえさん、僕も…僕も、愛しています…」
 僕はキスしながらそう云った。

 ああ…

 そして僕達二人の心が蕩けて、ひとつに融合していくようである…


 ああ、美冴さん…

 美冴…

 みさえ…

 





 だが、今夜で…

 これで…

 美冴さんとの禁断の…
 
 心震える、蕩けるような関係…
 は、突然、終わりを告げたのだ。



 僕達の関係は今夜で終わってしまったのである…





 その夜、美冴さんは僕に、こうした口唇の愛撫によって堪らない絶頂感を与えてくれ、そして僕達はそのまま寝たのである。

 僕は本当は、今夜待ち合わせのカフェで突然流した美冴さんの涙のことや、この激しく淫らに淫れて、僕を堪らない絶頂感に導いてくれた彼女の少しいつもとは違う様子について訊きたかったのだ。
 だが、なんとなく

 時折ふと見せてくる何ともいえない寂しそうな表情に…

 いつもと違う微妙な雰囲気の違いに…
 僕は何も訊く事ができずに、沈黙をするしかなかったのである。
 いや、訊いてはいけない感じがしていたのだ。
 例え訊いたとしても、それは、子供の僕には何もできない問題のような気がしていたのである。

 だから僕は、そんな寂しそうな愛しい美冴さんを抱きしめながら、そのまま黙って寝ることしか方法がなかったのだ。
 でもその僕の想いが却って美冴さんに対しては良かったらしく、嬉しそうに、穏やかな表情に変わって眠ってくれたようであった。

 そして二人で朝を迎える…

 今までの僕達は、決して泊まるという事はなかった。
 それは多分、僕が17歳の高校生であるという事に対しての美冴さんなりの配慮であったのだと思うし、そしてなんといっても美冴さんは、まかりなりにも人妻であったからだと思われたからなのだ。
 
 だから僕達は今日、初めて泊まり、朝を迎えたのだ…

 僕はそんな二人で初めて泊まった事が、凄くうれしかった。

 そして、女性と泊まるという事自体がもちろん初めてなのではあるのだが、美冴さんの寝姿や、寝顔の美しさにも堪らなく感動していたのである…






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