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シャイニーストッキング
第10章 絡まるストッキング4 和哉と美冴1

100 5年前、あの後…(7)
美冴さんのことは全くわからないままに二週間が過ぎた。
唯一の接点であるこのファミレスを
『一身上の都合』
という理由で突然辞めてしまい、携帯電話も解約され、そしてこの街のどこに住んでいたか等の情報も僕は全く知らないのである。
そして、ただの、普通の高校生であるこの僕には自分ひとりでは調べようもなく、また、調べる方法もわからなかった。
正に僕にとっては突然の出来事であり、『美冴さん失踪事件』
と、いえたのである…
この時点の僕には、もう美冴さんの消息については諦めるしかなかった。
そして美冴さんとの事は、僕のひと夏の禁断の甘い体験として、また、真夏の夜の夢として、自らの脳裏に記憶として留めておくしかなかったのである。
また、あの約二週間の夢のような体験は、僕にとってはとても大きな出来事ではあったのだが、時間というモノは残酷であったのだ。
美冴さんの失踪当初はあの禁断の快感の味を知ってしまっていたから、悶々と毎晩のように自らを慰めなくてはとても夜は眠れなかった。
だが、徐々に、時間の経過と共に、自分にはどうにもならないと否が応でも痛感してしまい、且つ、諦めなくてはいけないという想いも募り、しいては日々の経過と共に記憶でさえ段々と薄くなっていくのである。
そして僕は、美冴さんの写真の一枚も持っていなかった。
時間の経過…
それは、残酷であったのだ。
そして、この美冴さんがいなくなったという事実…
これは僕自身の中だけでの重大な、大きな、大事件であっただけといえた。
だが僕の周りでは、いや、特に僕と美冴さんの唯一の接点であるこのファミレスの中では、よくあるパート主婦が突然辞めただけという事実の一つにしか過ぎなかったのである。
一人のパート主婦が突然辞めた、そしてそれにより穴が開いてしまったシフトを残りのパート、アルバイトで埋めるだけ…
そんな小さな、よくあるファミレスの日常の一つの出来事なだけなのであった。
「ねぇ和哉くぅん」
「あ、はい…」
美冴さんがいなくなった途端に、なぜか朱美さんがやたらと絡むようになってきていた。
「もう少しでぇ、夏休みが終わりじゃん」
「はい…」
「そうなるとぉ。もお、平日の昼間は学校だから夜しかアルバイトに来ないわよねぇ…」
美冴さんのことは全くわからないままに二週間が過ぎた。
唯一の接点であるこのファミレスを
『一身上の都合』
という理由で突然辞めてしまい、携帯電話も解約され、そしてこの街のどこに住んでいたか等の情報も僕は全く知らないのである。
そして、ただの、普通の高校生であるこの僕には自分ひとりでは調べようもなく、また、調べる方法もわからなかった。
正に僕にとっては突然の出来事であり、『美冴さん失踪事件』
と、いえたのである…
この時点の僕には、もう美冴さんの消息については諦めるしかなかった。
そして美冴さんとの事は、僕のひと夏の禁断の甘い体験として、また、真夏の夜の夢として、自らの脳裏に記憶として留めておくしかなかったのである。
また、あの約二週間の夢のような体験は、僕にとってはとても大きな出来事ではあったのだが、時間というモノは残酷であったのだ。
美冴さんの失踪当初はあの禁断の快感の味を知ってしまっていたから、悶々と毎晩のように自らを慰めなくてはとても夜は眠れなかった。
だが、徐々に、時間の経過と共に、自分にはどうにもならないと否が応でも痛感してしまい、且つ、諦めなくてはいけないという想いも募り、しいては日々の経過と共に記憶でさえ段々と薄くなっていくのである。
そして僕は、美冴さんの写真の一枚も持っていなかった。
時間の経過…
それは、残酷であったのだ。
そして、この美冴さんがいなくなったという事実…
これは僕自身の中だけでの重大な、大きな、大事件であっただけといえた。
だが僕の周りでは、いや、特に僕と美冴さんの唯一の接点であるこのファミレスの中では、よくあるパート主婦が突然辞めただけという事実の一つにしか過ぎなかったのである。
一人のパート主婦が突然辞めた、そしてそれにより穴が開いてしまったシフトを残りのパート、アルバイトで埋めるだけ…
そんな小さな、よくあるファミレスの日常の一つの出来事なだけなのであった。
「ねぇ和哉くぅん」
「あ、はい…」
美冴さんがいなくなった途端に、なぜか朱美さんがやたらと絡むようになってきていた。
「もう少しでぇ、夏休みが終わりじゃん」
「はい…」
「そうなるとぉ。もお、平日の昼間は学校だから夜しかアルバイトに来ないわよねぇ…」

