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シャイニーストッキング
第11章 絡まるストッキング5      和哉と健太
 22 内心の想い

 これは…

 この腕は…

 もう健太に心を許したという、そういう心の現れなのか…
 思わず健太を見つめてしまう。

 そして彼もわたしを見つめてきたのだ。

「えっ、なに…」

「い、いや、何でもないです」
 確かに、一昨夜、6日の夜に愛し合ったのだが、あの時は初めてであったし、例の自律神経の暴走による衝動の想いが殆どであったのだ。

 だから、次の日である昨日の仕事中もそうであったのだ、だがわたしは恥ずかしく、どんな顔をして健太に対してよいのかがわからなかったのであった。
 そしてその不安と羞恥の想いは、健太にはなんとなくよそよそしい感じとして伝わっていたのだとは思うのである。
 だから、そんなわたしのそのよそよそしさに、健太はどことなく少しの不安を感じていたようなのだ。

 ましてや、昨夜わたしは急遽、佐々木ゆかり準備室長と出掛けてしまって言い訳や取り繕暇もなかったから、健太もまさか、わたしがこんな浮き浮きとして、いきなり腕を組み合わせてくるという、こんな展開になろうとは夢にも思ってなかったのであろう…
 そんな感じにわたしには伝わってきていたのである。
 
 だけど、わたし自身が一番驚いていたのだ…

 そしてわたし達は近くのビストロに入り、
とりあえずグラスのカリフォルニア赤ワインで乾杯をする。

「なんか美冴さん今朝寝不足気味な顔してませんでしたか」
 すると健太の鋭い観察眼の言葉が出たのだ。

「あら、やっぱりバレちゃってたかぁ…」

「昨夜はゆかり先輩と盛り上ったんですね」

「うん、そうなのよ…、で、すっかり遅くなっちゃってさ…」
 さすがに本当の話しは出来ない

「そんなに盛り上がったんですか、何の話ししたんですか」
「それは…秘密よ、言えないわ…」
「マジすかぁ…」
「うん、マジっす…」
 だけどわたし自身が、今、この健太と共にお酒を飲み、食事をしていて、心が浮き浮きとしていたのである、だからすっかり話しが盛り上がっていたのであった。
 だけどそんな突然のわたし自身の心境に、わたし自身が驚き、密かに内心では違和感さえ感じていたのだ。

 なんでだろう…

 これは…

 この想いは…

 すっかりわたしは健太に惚れ込んでしまった、ということなのだろうか…







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