パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第11章 絡まるストッキング5　　　　　　和哉と健太

　86　必要な嘘

　夏休みの期間中のバイトのシフトを増やす…

　できるだけファミレスにしがみ付く…
　そんな事を考えていた。

　だが、真実の休みの都合もあり、できるだけ彼女にも合わせてあげたい、というわがままで矛盾的な考えもあって…
　この休み期間中の予定の事を曖昧にしていたのであった。

　だが、ついに美冴さんと再会してしまったのだ…
　それは全く予想外な、いや、既に考えもしなくなっていた出来事であったのだ。

　しかし…
　現実に再会したのである。　　　

　現実なのだ…

　そしてそれは、早急に、いや、必ず、再び劇的な再々会があると…
　なぜか、そんな確信的な想いが湧いてきていたのだ。

　その想いは、そうあって欲しい…
　と、いう願望的な想いであるとは分かってはいるのだが、その為にも、万が一の為にも、その準備を、再会の準備だけでもしておかなくてはならない。

　だから真実には悪いのだが、できるだけこの３～４日程度…
　つまりはちょうどこの世間的には９連休というお盆休み期間中はこのファミレスにできるだけ顔を出し、しがみ付き、網を張っておきたいのである。

「いや、やっぱり、親が少し帰って来いってさぁ、煩くて…」

　嘘であった…

　いつでも、少しでも、自由に対応したいが為に、実家に帰るという嘘が必要なのであったのだ。

　なぜならば…

　一昨夜の劇的な美冴さんとの突然の再会はちょうど深夜零時位であったのである。
　だから、再びの再々会も深夜の可能性が高いと思われた。

　だが、真実は９連休なのだ。
　だから、おそらく前回のGWがそうであったように、彼女はアルバイトの時間中は僕のアパートで待つ、というプチ同棲的な休みの過ごし方を当然今回のお盆休み中にもしてくるつもりでいる筈なのである。

　確かにGWの時のプチ同棲的な生活は楽しかったし、またしたいとは当然思ってはいた。

　だが…
　今回の美冴さんの件は最初で最後の、そして僕自身のこれからの人生を左右するかもしれない、大切なきっかけとなり得るかもしれない事なのである。

　だから真実の事を気にせずに、自由に動ける深夜の時間が必要になる、いや、欲しいのだ…


　そうなると、実家に帰省して一時的にこの都内にいなくなるという嘘が…
　一番無理がなく、必要なのだ。