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胡蝶の夢
第3章  深淵 





「贈り物もしっかり悦んでもらえたみたいだからな、そろそろ終わりにしよう…」



終わり…?


ずっと両手を封じていた手錠が片方外された。


悪夢の終わり?


これで…、これで終わる。


やっと…。



「起きろよ」



黒崎に支えられて上体が起こされる。


ぐちゅっ…


すっかり舞い上がっていたが、腹の中の異物に思い出した。



「まだ…中にっ…」



上体を起こした事で自身の体重がかかるため、一番楽な姿勢を探して自然に腰がゆらゆら動く。


けれど動く度に腹の中でクチクチと責められてしまうのだった。



「うぁっ…んんっ…んっ…」



そんな僕の反応なんておかまいなしに黒崎は僕の身体を引く。


突然に引き寄せられ前のめりに姿勢が変わったことで、万年筆が内壁を抉り上げた。



「ああぁぁぁあっ」



身体は強張るのに、それよりも強く黒崎の力が作用して抗えない。



「咥えろ」



目の前に差し出される猛り勃つ身体。


そうか、終わりの意味って…。


気が付いた時には遅かった。




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