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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第2章 アバンチュール
ニューヨークに転居した。

和仁さんは研究室での仕事で実績を上げたいと言って、
家にも仕事を持ち帰るし、
泊まり込んで帰らない夜もあった。


高校時代に交換留学した西海岸とは違って、
慌ただしくてどんよりした街だった。

友達も居ないし、
夫も自分のことを放置したままで、
日本に居た時以上に退屈過ぎた。


昼間は、5番街のブティックや百貨店をぶらついて買い物をした後、
カフェでお茶をして帰宅する。
そして、1人で食事をしてベッドに入る。

和仁さんが帰ってきたとしても、
自分を抱いてくれることもない。


ニューヨークなんて、
来なければ良かった。

私は溜息をつく。


最後にセックスしたの、
いつだったかしら?

こんなんじゃ、
子供も出来ないし、
私、枯れてしまうわ。


そんなことを考えると、
イライラしてしまう。


和仁さんがそっと帰宅するドアの開閉音が聴こえる。

少しすると、シャワーを浴びて、
そっとベッドに入ると、ベッドが沈み込む。


それで気づいたふりをして、
和仁さんの方を向いて腕を回してキスを強請ってみるけど、

「ごめん。
疲れてるから…」と額にキスをして、
私に背中を向けて眠ってしまう。


「何なの?
酷すぎる」と、背中を叩いてみても、
和仁さんはそれを無視して眠り続ける。

眠ったふりをしていたのかもしれない。



私は仕方なく、そっとショーツの中に指を入れて、
自分を慰める。

和仁さんに気づかれても別に構わないと思って、
声を上げながら花芽を擦り、
蜜が溢れてくると、ナカに指を挿れて掻き混ぜる。

もう片方の手で、
胸をまさぐり、
乳首を摘んで刺激する。


それなのに、
やっぱり和仁さんは寝たまま、
何もしてくれることはなかった。



こんな夜が続くのは耐えられない。
1人で日本に帰ろうか?


そう思っていた。
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