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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第1章 結婚生活
盛大だけど、
つまらない式だったわ。

控室で鏡を見ながら呟いた。


実家は都内でも有数の総合病院。
残念ながら母は身体が弱くて子供を1人しか出産出来なくて、
私はその家の一人娘として贅沢な環境で育てられた。

最初、両親は私を医者にしようとしたけど、
「そんなの、とても無理だし、嫌よ」と私に甘い祖父母に泣きついて、
「良い婿養子を取れば良いじゃないか」という方向に落ち着いた。


だから、
幼稚園から大学まで一貫性の女子校に通って、
卒業後も家事手伝いということで、
お稽古ごとだけしていた。

そして、今日、祖父と父親が決めた6歳違いの人と結婚式を挙げた。
東大卒の医者で大学病院に勤務していた。


勿論、結婚前に、デートはしたけど、
手を握ることすらしない、
生真面目でつまらないオトコだった。


背は高いし、見ようによっては端正な顔立ちにも見える。
モテそうな人だと第一印象では思ったけど、
無口で物静かで、
何を考えているかもよく判らない。

医者の家系で、
男ばかりの3人兄弟の次男。
私の家に婿養子に入るのは問題ないということだった。


ほとんど話もしないまま、
周りがあれこれ決めていって、
キスどころか、手も握られないまま、
結婚式になった。


神父様の前で指輪の交換で、
初めて手を触れた。

そして、誓いのキスが、
2人にとっての初めてのキスだった。


披露宴は、両家の関係者が数多く集まっていた。
医者率が物凄く高いので、
なんか、学会みたいだった。



今夜、このホテルで宿泊して、
明日、新婚旅行に行くわけだけど…
まさか、童貞じゃないわよね?


勿論、私は処女ではない。


早々に処女なんて捨てて、
女子高の時も、
男子校の男の子や大学生と付き合ってたし、
女子大の頃は、
テニスサークルで散々ちやほやされて、
何人かの学生と付き合うだけじゃなくて、
歳上のおじ様とも遊んでいた。


どちらかといえば地味な顔立ちに対して、
グラマラスな曲線の身体は、
男子達から「エロい」と言われていたし、
性に対しては好奇心も強くて積極的だった。


でも…
今夜は貞淑な顔で…

ちょうど生理が終わりかかっているタイミングだから、
痛がって、処女のふりをしてあげよう。


そう思って、
クスリと笑った。


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