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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第3章 深まる愛と疑惑
それからの私は、
更に岳人さんのことだけに夢中になっていった。


可愛らしい自分好みの服を着せて、
人形遊びするように可愛がった。


学校の送り迎えも自分でした。
制服姿も可愛くて、
いつも手を繋いで歩いた。



家事は苦手だから、
みんな、ばあやに任せたけど、
作って貰ったお惣菜をお弁当箱に詰めたり、
お皿に美しく盛り付けることだけは自分でやった。


お風呂にも一緒に入って、
身体を隅々まで洗って、
シャンプーもして、髪も乾かした。


頬や額だけでなく、
柔らかい唇にもキスをして、
夜は一緒に寝た。



どうせ、和仁さんは浮気をしていて、
私と寝室を共にすることはない。


そう思っていた。



臨海学校に出掛けてしまって岳人さんが居ない日、
珍しく朝食を和仁さんと一緒に取った朝のことだった。


「梨香子さん、
寝室で僕と寝てくれないかな?」と和仁さんが言って、
私は心の底から驚いてしまった。


「どうして?」


「どうしてって…。
夫婦なんだから、一緒に…」


「だって、抱いてくれないじゃない。
毎晩、何もしてくれなくて、
まるで自分が女として魅力がないって言われてるような気持ちにさせられるのは、嫌よ?」


「…」


「どうせ、他の女の人と寝て、
性欲を満たしてるんでしょ?
浮気をした私を罰しているとでも?」


「僕は浮気なんて…」


「あら、そうなの?
別に浮気なさっても良いのよ?
だって、私も浮気したもの。
岳人さんは…」


「岳人は、僕と梨香子さんの子供だよ」


「…」


「それと、そろそろ岳人と一緒に風呂に入ったり、寝るのはやめなさい。
5年生だろう?」


「嫌よ」


和仁さんは溜息をついた。


「僕と寝たくないなら、
僕は客間のベッドで寝るから、
梨香子さんは主寝室で寝なさい。
岳人だって、もう大きくなってきたんだ。
いつまでもお母さんと一緒に居るようでは、
他の友達に笑われるよ?」



私はナプキンをテーブルに叩きつけるようにして席を立つと、
岳人さんの部屋に行って、ドアを閉めて泣いた。


ドア越しに和仁さんが静かな声で言った。
「梨香子さん、気に障ったならごめんよ。
でも、本当に僕は浮気なんてしてないよ?
梨香子さんのことを愛してる。
勿論、岳人のことも。
じゃあ、病院に行くから」


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