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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第3章 深まる愛と疑惑
日毎に岳人さんは可愛らしくなっていった。
そして、どんどんミケーレに似ていく。

日本人離れした外見。
でも、シャイで無口な処は、
和仁さんにそっくりだった。

私はそんな岳人さんを、溺愛していた。



和仁さんは、
もう一人、子供を作ったら…

そう言っては、私を繰り返し抱いたけど、
妊娠の兆しはなかった。

そして、私は岳人さんさえ居れば良いと思っていたし、
和仁さんのことは…

ただ子供を作りたいだけなのかと感じてしまって、
セックスすること自体が苦痛に変わっていった。

結局、
私への愛情ではなくて、
跡継ぎをなすことだけの義務感で、
私を抱いているんだとしか思えなかった。


私…
和仁さんに愛されたかった。
でも、結局、
愛して貰えなかった。

そんな気持ちで、
心の奥は氷のように固まってしまった。


それに比べてミケーレは…

女として私を見てくれて、
愛してくれた。


そんなミケーレに生き写しの岳人さんが私のことだけを見て、愛してくれればそれで良い。


私の氷を溶かしてくれるのは、
岳人さんだけ。


そう考えていた。


岳人さんが幼稚園から小学校へと上がる頃には、
和仁さんは私を抱くことも、
キスをすることもすっかりなくなってしまった。

勿論、誰かが居る時は、
話はする。

でも、家の中で会話をすることも殆どなくなった。


病院の看護婦とでも浮気してるのね?

私はそう思った。


だって、まだまだ男盛りでしょ?
性欲だってある筈。

きっと、あの小柄で甘ったるい声を出す胸が大きい看護婦と…?
それとも派手な顔をしている受付事務の女と?


私は悔しさと嫉妬心で、
心がギリギリとした。


浮気の証拠でも見つけてやろうかしら?と思って、
いつも一人で篭っている和仁さんの書斎に潜り込んで、
デスクの引き出しを探してみたら、
大きな封筒が入っていた。


何かしら?
そう思って中を見てみたら、
岳人さんのDNA鑑定書だった。


そんなこと、調べなきゃ良かったのに。
お馬鹿さんね?

そう思って、封筒に戻して、
わざとデスクの上にそれを置いておいた。



帰宅して、私がそれを見たことに気付いただろうに、
和仁さんがそのことを口にすることもなかった。
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