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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第5章 距離感
和仁さんはいつも私を優しく抱き締めて、
キスで私を満たしてくれる。

髪を撫でては「愛してる」と言ってくれる。

そして、毎晩のように、
身体中を舐め回して、
私を美しいと称賛してくれては、
私のナカに深く和仁さんのを沈めて、
私を身悶えさせてくれる。


その度に私は、
まるで自分が綺麗な蝶になった気がした。


和仁さんの手で両手首を押さえつけられて挿れられていると、
一層、そんな気持ちになる。



私は小さな岳人さんを箱に閉じ込めて眺めながら、
和仁さんに白い箱に閉じ込められているみたい。


その箱は幸せな甘い何かで満たされていて、
私はいつまでもその中で眠っていたい気持ちになる。


私は愛されている。
その気持ちだけで、
和仁さんとずっと一緒に居られる。


ミケーレ?
誰だったかもう、思い出せない。
遠い過去のヒト。


岳人さんは、
いつまでも幼な子のまま、
私と和仁さんの箱の中に、
蝶の標本のように綺麗に時間を止めて収まっている。





「んっ…。
ねぇ?
和仁さん、もう一度して?
お願い?
挿れて?」


「良いよ。
梨香子さん…。
今度は後ろから挿れてあげる」


そう言って和仁さんは、
私をクルリとさせて、
甘い蜜が溢れる私に突き立ててくれる。



死んでも良い。
そんな気持ちで、私は和仁さんを迎え入れて、
最後の一滴まで搾り取ろうとする。


夜毎…
日毎…
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