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蝶の標本〜もうひとつのトパーズ〜
第5章 距離感
翌日、来客があった。
知らない男性と、
ミケーレに似た若い男性だった。
「いらっしゃいませ…」と声を出しながら、
違和感を覚えて軽い頭痛がした。
客間に通して、和仁さんを呼んで、
紅茶を出すと、
「梨香子さんは…
下がっていた方が良いかな?」と和仁さんに言われる。
「どうぞごゆっくり」と言って、
私はキッチンに下がった。
ミケーレにしては若かったけど…。
えっ?
ミケーレって、誰だったかしら?
考えれば考えるほど、
混乱した。
暫くすると、
その若い男性が岳人さんの部屋に入って行くのが見えて、
和仁さんに声を掛けた。
「和仁さん、
知らない人が岳人さんの部屋に入ったの」
「えっ?」
「若い男性よ。
ミケーレに似てる…
ミケーレって誰だったかしら?
思い出せないわ」と言いながら、
こめかみを抑えながらソファに座り込む。
「梨香子さん、大丈夫?」
「頭…痛いの。
あの若い男性は…」
「岳人だろう?」
「違うわ!
岳人さんはまだ小さくて…
今、幼稚園に行っているのよ?」
話しながら混乱して、
涙が出てしまう。
「あんな人、知らないわ?
岳人さんは…もっと小さくて…」
客間のドアの処で、
若い男性が固まったように私を見ていた。
「和仁さん、怖い。
私…こんな人、知らない。
岳人さんは、もっと小さくて…」
興奮して震える私を抱き締めるように寝室に連れて行って、
鎮静剤を打ってくれたようだった。
「自分がしたことへの罪悪感から、
心が退行してしまったのかもしれません。
とにかく、岳人を宜しくお願いします」
と言う声が、遠くで聴こえた。
罪悪感って、何?
私…。
知らない男性と、
ミケーレに似た若い男性だった。
「いらっしゃいませ…」と声を出しながら、
違和感を覚えて軽い頭痛がした。
客間に通して、和仁さんを呼んで、
紅茶を出すと、
「梨香子さんは…
下がっていた方が良いかな?」と和仁さんに言われる。
「どうぞごゆっくり」と言って、
私はキッチンに下がった。
ミケーレにしては若かったけど…。
えっ?
ミケーレって、誰だったかしら?
考えれば考えるほど、
混乱した。
暫くすると、
その若い男性が岳人さんの部屋に入って行くのが見えて、
和仁さんに声を掛けた。
「和仁さん、
知らない人が岳人さんの部屋に入ったの」
「えっ?」
「若い男性よ。
ミケーレに似てる…
ミケーレって誰だったかしら?
思い出せないわ」と言いながら、
こめかみを抑えながらソファに座り込む。
「梨香子さん、大丈夫?」
「頭…痛いの。
あの若い男性は…」
「岳人だろう?」
「違うわ!
岳人さんはまだ小さくて…
今、幼稚園に行っているのよ?」
話しながら混乱して、
涙が出てしまう。
「あんな人、知らないわ?
岳人さんは…もっと小さくて…」
客間のドアの処で、
若い男性が固まったように私を見ていた。
「和仁さん、怖い。
私…こんな人、知らない。
岳人さんは、もっと小さくて…」
興奮して震える私を抱き締めるように寝室に連れて行って、
鎮静剤を打ってくれたようだった。
「自分がしたことへの罪悪感から、
心が退行してしまったのかもしれません。
とにかく、岳人を宜しくお願いします」
と言う声が、遠くで聴こえた。
罪悪感って、何?
私…。