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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第2章 サラサとレイ
 身を清めたサラサは、真新しい寝衣を着て、広いベッドの上に座っていた。

 今、彼女が身に着けているのはワンピース型の寝衣だが、その布は薄い。結ばれた細い肩紐で服全体が支えられているのが何とも頼りなく、これを着せられた時、泣きそうになるほどの羞恥が襲った。

 サラサはあれから両親に、祖母マーガレットの屋敷に連れて来られ、とある部屋に閉じ込められたのだ。

「この部屋は、お前たちが本当の夫婦となった時、扉が開くように魔法がかけられている」

 本当の夫婦、とは、まあそういうことだ。

 きちんと二人が初夜を過ごせば自由に出入りできるようになり、さらにマーガレットの遺産の手がかりが示されるのだという。

 部屋はシンプルなゲストルームだ。

 ちらっと扉に視線を向けると、確かに魔法がかかっていた。大魔女の血を引くサラサにも魔法の才能はあるのだが、マーガレットに敵うわけがなくため息をつく。出入り口とは反対側に、浴槽へと続く扉が見える。

 テーブルの上には、食料が置いてあった。
 確か話によると、三日分だったはず。

 つまり、

”三日の間に心を決めろ、っていうわけね”
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