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大魔女の遺言~子作りしないと出られない部屋に閉じ込められて~
第15章 大魔女の遺産
「どうした、サラサ?」

「レイ! ルビィがまた勝手にお婆様の寝室に入ったから怒ったの!」

 部屋に鍵がかけられればいいのだが、何故かルビィが来ると、寝室の扉が勝手に開いてしまうのだ。

 当初は不思議だったのだが、大魔女の魔法が絡んでいるのだから、自分たちの力ではどうしようもない、とあまり深く考えなかった。

 好奇心旺盛な娘が、部屋をウロウロする姿を見つめながら、サラサは大きくため息をついた。

 ふと、五年前の騒動が、そして誰にも伝えなかった手紙の秘密が思い出される。

 実は、マーガレットの手紙には、サラサへのメッセージが書かれていたのだ。

『私の愛する孫、サラサへ。

 きっとあなたとレイの子どもは、とても可愛いでしょうね?
 もしよければ、その子が歩けるぐらいの年齢になったら、この部屋に会いに連れてきて欲しいわ。

 お婆ちゃんは、いつまでもあなたたち家族の幸せを願っています』

 今でも、意味が分からずにいる。

 だけど、サラサにしか見えない隠しメッセージ。きっと誰にも伝えて欲しくないのだろうと思い、黙っていたのだ。

(丁度ルビィも、お婆様が書き残した年齢ぐらいね)
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