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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第2章 悲恋の過去と美しいヒーロー

中学2年生のバレンタインの日、私はその友達に告白した。前日に何度も何度も作り直して、一番綺麗に出来たガトーショコラを持って。投げかけられた言葉はあまりに残酷で……。
「同性を好きなんて気持ち悪い」
気持ち悪い、気持ち悪い、キモチワルイ……。
残りの中学生活は最低だった。私が告白したことがクラスメイトに広がっていて、私はいじめられた。もう同じ失敗は繰り返したくない。だから、必死になって勉強をして、学校を自由に選べる上位10%の成績になって、家から少し遠い高校を選んで……もう同じ失敗はしないと思ったのに、あの男のせいで……。あぁ、男なんてやっぱり嫌いだ。女の子にも恋はしない。なのに、どうして、出逢ってしまったのだろう。あの時、死のうとしたから、寄り道しなければ出逢わなかった?
でも、出逢えたおかげで毎日が輝いていて。あぁ、人生って本当に複雑難解だ。
「お待たせ! レジ混んでたから待ってもらってて、ごめんね! このあと、そこのカフェでも行く?」
「あ、今日は、早く帰ってきなさいって言われてて……。ごめんなさい! また、誘って下さい」
「あぁ。それなら仕方ないね。また誘うね。またね!」
「はい、また!」
コスメストアの前で京さんに手を振った。
私にも一つだけ分かることがある。この気持ちは相手の性対象が分かるまでは隠し遠さなければならない。京さんは、男? 女? どっちが好きなんですか? なんて私には軽々しく聞くことはできない。人には、触れられたくないこと。それがあるということが私にも分かるから。
息苦しさがの喉のところに、のぼってくる。
はぁっ……はぁ……苦しっ。中学のあの後から、私は時たま過呼吸を起こすようになっていた。

