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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第3章 黒い想い出と愛情
***
空気が少し肌寒い。秋めいてきた時。美紅さんから、土日に両親が結婚記念日旅行に行って寂しいから、お泊まり会をしようって誘いがきた。母に相談すると即、オッケーの許可が出た。
その日、美紅さんは、ボルドーのタイトワンピースに黒のショートブーツを履いてきた。相変わらず綺麗な脚だ。そして、スキンシップも多い。けれど、嫌な気がしないので、拒否はしなかった。
美紅さんの大量の買い物をした後、いつものBarに行く。
「あらあ~美紅に心愛じゃなぁい~! 今日は賑やかねぇ!」
「あっ! 心愛ちゃん!」
「あっ、京さん! お久しぶりです」
リップクリームを学校以外に大切に持ちながらも、忙しいからと……あれから、京さんのことは避けてしまっていた。どんどん好きになっていく自分の気持ちが怖かったから。会うとやっぱり、あぁ、かっこいいなあって思うし、自分から触れたいなあって思ってしまう。
京さんの隣には、女の人がいた。黒色の巻き髪。白のブラウスにブラウンのロングスカート。ナチュラルメイクをした正統派美人といった感じの女性だ。スタイルも美紅さんといい勝負をしているのではないだろうか。