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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第4章 涙の雨と晴天の虹
 私は、乳房を扱う手をショーツへと運ぶ。

「やだっ。心愛ってホント、いやらしっ。振られても、あたしを好きになってなくても、セックスはするんだ?」

「フライング性なる夜。人間、欲望には抗えないからねー。私のこと好きにさせるんでしょ?」

「もちろんっ」

 そう言うと、美紅さんは、一気に私のショーツをずらし、ミニスカートの中に顔を埋める。私にミニスカートをはかせたのってもしかしてこのため……? なんて考えすぎだろうか……。

「っ……あんっ……。美紅さん、激しっ……」

「激しくしてるの! 心愛はいずれあたしのことしか考えられなくなるんだから……」

 舌と指が交互に。増えていく指……。奥に伸びる舌。

「んっ……あぁっ……」

 京さんには振られてしまったけれど。2度目の恋は叶わなかったけれど……。京さんからは夢をもらった。

 進路希望用紙にはメイクアップアーティストを目指せる学校名を書いて、提出していた。そのための勉強を私は密かにしていた。

 そして、これから私はきっと、「愛」も「恋」も「幸せ」も手に入れるのだ。大嫌いだったバレンタインも……きっと、来年、大好きなバレンタインにしてくれるのだろう。

「っ……はぁっ、美紅さん、ホントに私、すぐに……イッちゃ──」

 私を今、触れている人にきっと。とてつもなく変態な美しいヒーローに。

 これがいつか3度目の正直になる。

 涙の雨でぬれた日々。その後にはきっと……

 晴天の虹が待っている──。



fin.
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