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自分であるために~涙の雨と晴天の虹~
第2章 悲恋の過去と美しいヒーロー
「よし、出来た! うん、心愛ちゃん、意外と皇子メイクも似合うね! 本当、バランスのいいパーツと肌質が最高だよ!」
***
あれから、京さんは2週間に1度くらいのペースで私に色々なメイクをしてくれた。そのかっこ良さに時たまドキドキする。この感情がなんなのか……?
恋……?
いや、そんなことはない。今まで出逢ったことのないタイプのかっこいい女性からそう思うだけ。けれど、京さんのことは気になる。メイクアップアーティストをしていると言うが、どんなところで働いているんだろう? 今は美容師でも名前を検索すると出てくる時代。私は、都京と名前を検索するとトップページに有名動画サイトの動画が出てくる。チャンネルを開くとチャンネル登録は20万人を少し越えたところだった。どうやら、人気急上昇中の配信者なようだ。
スマホが鳴る。メールが入る。
『次の水曜日、空いてる? 記念に視聴者リクエストのプリンセスメイクに答えようと思って、コスメの買い足し行きたいのと、撮影する前にどんな感じか……練習させて欲しいんだけど?』
『空いてますよ』
暑い季節。夏休みに差し掛かっていた。