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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第8章 第三話【波の音】 予感 
 そんな姿を見ると、やはり涙が溢れてきた。
 陽が落ちると、二人は囲炉裏を挟んで向かい合って夕飯を取った。
 本当に、この海辺の小さな家は四年前と何も変わらない。囲炉裏のある板の間と続きになった畳の間二つきりのささやかな住まいだった。かつてこの家で、幸は亮平の女房としての日々を過ごしたのだ。ともすれば、様々な想い出が押し寄せてきて、幸は混乱しそうになった。
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