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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第20章 番外編第三話【秘恋~背徳の恋~】 濁世の花
織部は依然として蓮の花を見ていた。
「旅に出て、京にいた頃には見なかったものを見、様々な人々に出逢えたことは幸せでした。あのまま京で狭い場所に閉じこもっていては知らなかった世界を知ったことは、多少なりとも私の勉強になったと思います。幸せはいつも自分の心が決めるものです。可愛がって下さった師匠が突然亡くなられたときには、自分は何と不幸な人間だと思いましたが、それもまた仏の導きであったのかもしれませんね。長い旅の間に、自然とそんな風に思えるようになりました」
「旅に出て、京にいた頃には見なかったものを見、様々な人々に出逢えたことは幸せでした。あのまま京で狭い場所に閉じこもっていては知らなかった世界を知ったことは、多少なりとも私の勉強になったと思います。幸せはいつも自分の心が決めるものです。可愛がって下さった師匠が突然亡くなられたときには、自分は何と不幸な人間だと思いましたが、それもまた仏の導きであったのかもしれませんね。長い旅の間に、自然とそんな風に思えるようになりました」