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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第22章 番外編第四話【轍~わだち~】
砂浜づたいに少し歩くと、直に小さな家が見えてくる。
子どもの頃、夏になる度に訪れていたこの大好きな場所にもここ二、三年は滅多に来なくなった。 家の前にはささやかな庭があるけれど、どこからが浜でどこまでが庭なのか判ったものではない。と、子どもの頃、晶はよく思ったものだ。それでも、その小さな庭はいつでもよく手入れが行き届いていて、四季折々の花々が群れ咲いている。その庭に懐かしい人の姿を認め、晶は思わず安堵の吐息をついた。
子どもの頃、夏になる度に訪れていたこの大好きな場所にもここ二、三年は滅多に来なくなった。 家の前にはささやかな庭があるけれど、どこからが浜でどこまでが庭なのか判ったものではない。と、子どもの頃、晶はよく思ったものだ。それでも、その小さな庭はいつでもよく手入れが行き届いていて、四季折々の花々が群れ咲いている。その庭に懐かしい人の姿を認め、晶は思わず安堵の吐息をついた。