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狂愛の巣窟
第7章 【再燃するココロとカラダ…】
「本当に行くの?」
「え、ダメ?10年ぶりの同窓会なんだけど」
「うぅ……絶対絶対元カレとか来るでしょ?結婚してるってちゃんと断ってね?」
「心配性だなぁ、享さんは」
「コラ、何処行っても口説かれるんだから心配して当たり前でしょ」
「同級生だよ?元カレなんか居ないよ、高校の時は年上とお付き合いしてたので」
「うっ……そうなんだ」
「ちゃんと指輪もしていくね?それに皆、私が既婚者だって知ってるから」
大学卒業と同時期に…といっても皆が休学していた私に合わせてくれて24歳の時に高校の同窓会を開いてくれた。
その10年後に再び同窓会の知らせがメールで届いたのが数日前。
「でもでも!十和子、いつもより気合い入れてエステ行ってるし髪もツヤツヤだしお洒落してるもん」
「享さん?30過ぎてからの同窓会なんて皆そうよ、女同士見てないフリして隅々までチェック入れてるんだから」
「そ、そうなんだ?女子は大変……」
「老けた…なんて思われたくないでしょ?」
何とか納得はしてくれたものの、あまり良くは思ってないみたいね。
心配してくれるのは嬉しいけどまさかここまで束縛してくるとは。
「当日、俺の印着けて行ってね?」
「えっ…!?あ、うん、わかった」
身体中に着けられるんだろうな……
「あっ!」と大きな声出すから肩が上がるくらいびっくりした。
悲壮な顔してどうしたの?
「元旦那さん……とかは?」
これは、享さんに言っていた事なだけにやっぱり気付かれましたか。
元旦那は私の恩師。
高校と時に付き合っていて大学に入学してすぐ妊娠が発覚した。
ただ私は素直に嬉しかったし「結婚しよう」って言ってくれるものだと思っていた。
でも現実はそうじゃなくて、彼には妻子が居て私は遊びだったとそこで初めて知る事になる。
「嘘だろ……?すまない、離婚は出来ない」って先に言うのズルいよね。
中絶費用を渡された時は百年の恋も冷めた。
誰よりも尊敬していて、本当ならあなたと同じ教師の道に進みたかった。