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狂愛の巣窟
第4章 【意のままに踊らされて…】
私も少しだけ放置プレイしてあげる。
でもほんの少しよ?
切っても切れない仲なのよ、私たちは。
だからもう少し楽しみましょう?
今の関係を。
急いで飛ばして帰って来たら。
玄関先で膝抱えて座り込んでるんだもん。
びっくりしたし心配もする。
「十和子さん?え、帰って来たの?」
「あんな声聞かされてほっとけるわけないでしょ…」
「俺の為に?」
「当たり前でしょ!もう、何なの?私の事試して面白かった?放置プレイするんならちゃんとやりきりなさいよ!」
何もかも終わった…みたいな顔して1人ヘコんでてさ、朝のやり取り思い出したらやっぱり腹立ってきた!
そう思ってもう一言文句言ってやろうかと顔を上げたのに急に抱き締めてくるのやめて。
心臓保たない。
「出て行ったかと思った……これが最後なんて嫌だよ十和子さん…!」
「え、ちょっと待って、誰が出て行くのよ?私そんなつもりで外に出たんじゃ…」
「俺が押し付ける気持ちについて行けなくなったんだろ?俺が急に態度変わってムカついた?だから他の男に会いに行ったの?」
「ちょ、ちょ、ちょっと待って!落ち着いて?本当に違うから……私も頭冷やそうって思った、急に電話かかってきて居るはずもない時間に家に居るって言うからびっくりしたけど、それどころじゃなくなったってやっぱ私関連の事だったりする?自惚れて良い?」
「出て行く時……泣いてたよね?それ振り切って出て来たけど、全然授業も頭入んなくて何も手につかなくなって……放置プレイの仕方もよくわかんなくなってきて……ただ会いたくなってすっぽかして帰って来ちゃった」
初めて、一颯くんの泣いた顔を見た。
肩を震わせてポロポロと。
「十和子さんが出て行ったら俺……俺は…っ」
「わかったから……もう言わなくて良いよ」と強く抱き締めた。
飛ばして帰って来た私より身体が熱い。
誰よりも不安だったのは一颯くんだったんだよね。
「もう我儘言わないから、ずっと傍に居てよ」
「バカね、居るってば……」