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欲しいのは愛だけ
第6章 電撃入籍
診察の結果、
妊娠はしていなかった。
「仕事などで少しストレスがあって不規則になっているんでしょう」
と、穏やかな顔のお医者様から言われて、
航平さんは少し残念そうな顔をしていた。
車を航平さんのマンションの駐車場に置くと、
「俺の部屋に来てみる?
本当に長く別居してたのが判るよ?」と言った。
頷くと、手を繋いで駐車場のエレベーターで上がって、
部屋に入った。
玄関は何も置いてない。
「あ、スリッパもひとつしかないから、
メイ、履いて?
脚が冷えるといけないから」と言われて、
黒い革のスリッパを履いた。
「大きくて…転んでしまいそう」と笑うと、
「かえって危ないかな?」と心配そうな顔をした。
室内もすっきりしていて、
殆ど何もない。
「ここに…住んでるですか?」と言うと、
「まあ、寝るだけだからね?」と笑う。
「初めて会った時に、
何か食べる?って言ったけど、
ホントは食材も何もないよ。
ちょっと見栄を張った。
あ、ナッツと水と酒はあるけど。
後は、無印のレトルトのと、
チンするご飯かな?」と照れ笑いした。
「そうだ。
メイ、これ」と言って、
戸籍謄本を私に渡した。
「既に2ヶ月前に届出は受理されていて、
俺、独身だよ?
だから、不倫じゃないよね?」と言った。
「あ、そこのソファに座って?
コーヒーマシンはあるから」
ごそごそキッチンに居るので、
何かと思ったら、
引き出物らしい箱からコーヒーカップを引っ張り出していた。
「いつも、キャンプ用のマグカップだし、
1個しかないから…」
「洗いますね?」とカップを洗って渡すと、
マシンでコーヒーを淹れてくれた。
「そういえばさ。
どうして毎回、豆を挽くの?
美味しいけど、面倒じゃないの?」
「面倒なことして、
時間を潰してるんです。
1人で家に居ると、
時々、物凄く孤独感に襲われちゃうから」
「じゃあ、一緒に暮らさない?」
「えっ?」
「せっかちかもしれないけど、
俺、本当に一目惚れしたから、結婚したいんだ。
でも、そんなの急に決められないっていうなら、
お試しで一緒に暮らしたら、
ずっと一緒にやっていけるか、
見極められるよ?」
「同棲するってことですか?」
「抵抗あるなら、
結婚する?」
「そんな簡単に決められないです」
妊娠はしていなかった。
「仕事などで少しストレスがあって不規則になっているんでしょう」
と、穏やかな顔のお医者様から言われて、
航平さんは少し残念そうな顔をしていた。
車を航平さんのマンションの駐車場に置くと、
「俺の部屋に来てみる?
本当に長く別居してたのが判るよ?」と言った。
頷くと、手を繋いで駐車場のエレベーターで上がって、
部屋に入った。
玄関は何も置いてない。
「あ、スリッパもひとつしかないから、
メイ、履いて?
脚が冷えるといけないから」と言われて、
黒い革のスリッパを履いた。
「大きくて…転んでしまいそう」と笑うと、
「かえって危ないかな?」と心配そうな顔をした。
室内もすっきりしていて、
殆ど何もない。
「ここに…住んでるですか?」と言うと、
「まあ、寝るだけだからね?」と笑う。
「初めて会った時に、
何か食べる?って言ったけど、
ホントは食材も何もないよ。
ちょっと見栄を張った。
あ、ナッツと水と酒はあるけど。
後は、無印のレトルトのと、
チンするご飯かな?」と照れ笑いした。
「そうだ。
メイ、これ」と言って、
戸籍謄本を私に渡した。
「既に2ヶ月前に届出は受理されていて、
俺、独身だよ?
だから、不倫じゃないよね?」と言った。
「あ、そこのソファに座って?
コーヒーマシンはあるから」
ごそごそキッチンに居るので、
何かと思ったら、
引き出物らしい箱からコーヒーカップを引っ張り出していた。
「いつも、キャンプ用のマグカップだし、
1個しかないから…」
「洗いますね?」とカップを洗って渡すと、
マシンでコーヒーを淹れてくれた。
「そういえばさ。
どうして毎回、豆を挽くの?
美味しいけど、面倒じゃないの?」
「面倒なことして、
時間を潰してるんです。
1人で家に居ると、
時々、物凄く孤独感に襲われちゃうから」
「じゃあ、一緒に暮らさない?」
「えっ?」
「せっかちかもしれないけど、
俺、本当に一目惚れしたから、結婚したいんだ。
でも、そんなの急に決められないっていうなら、
お試しで一緒に暮らしたら、
ずっと一緒にやっていけるか、
見極められるよ?」
「同棲するってことですか?」
「抵抗あるなら、
結婚する?」
「そんな簡単に決められないです」