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欲しいのは愛だけ
第6章 電撃入籍
「俺、遠回りしたり、
腹を探り合ったりするの、嫌なんだよ。
メイに一目惚れしたから、
一緒になりたい。
それだけ。
一緒に居るだけで幸せな気持ちになれるし、
メイにもそんな気持ちになって貰えるように向き合いたい。
仕事も忙しくて不規則なこともあるから、
余計に一緒に過ごせる時を大事にしたい。
今、大地震が来たり、
何かの病気や事故で、どっちかが死ぬかもしれないじゃん。
だったら、余計に一緒に居たいよ。
メイがどう思ってるかはわかんないけどさ」

それを聴きながら、
その言葉が真実のように思えてくると、
少し涙が出そうになる。


「私も…
航平さんのこと、好きです。
本当に急速に惹かれてます。
1週間、何も連絡なかったでしょ?
最初は淋しくて…
その後、不安で…。
特に夜はどうして良いか判らないくらいで…
夕食も1人で食べるのが辛くなっちゃって食べれなかったんです」


「ごめん。
仕事のトラブルで、急な出張だったからね。
時差があったり飛行機の移動で、連絡出来なかったんだよ」と言って、
奥の部屋から真紅の紙袋を持って来た。


「空港の免税店しか寄る時間なかったから」と言って、
小さい箱を取り出して、
手首にブレスレットを嵌めて小さい付属のドライバーで留めた。


「ほら。
もう、外せないよ?
手錠みたいなもんだな」と笑う。

「それと、これ」と言って、
クロエの香水の箱を出した。

「同じ香り、つけない?
そしたら、いつも一緒な気がするから」


私は箱を開けて、
手首の内側に少しだけつけて、
耳の後ろにその手首を当ててみた。

ふわりと航平さんの香りがする。


「本当は、指輪を嵌めたい。
サイズ、判らなかったから、
ブレスレットにしたんだ。
俺のものだってみんなに見せびらかす為に、
左手の薬指に、指輪、嵌めてくれないかな?」


「…それって、プロポーズですか?」


「そうだよ。
何度も言ってるでしょ?
一目惚れした。
一緒に居たい。
結婚してください。
メイ、お願い。
イエスって言って?」と、私の手を握り締める。


「まだ3回しか会ってないのに?」


「メイの良い処は、充分判った。
俺のことは…どう思ってるのかな?
メイ、大切にする。
泣かせたりしない。
だから…結婚してください」


「航平さん…
宜しくお願いします」とぎこちなく笑った。

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