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欲しいのは愛だけ
第9章 家族のカタチ
航平さんが私を抱き締めてキスしてくれる。


「こほん」と父が咳払いをするのに、
お構いなしでハグをするので、

「本当に2人は仲良しだな?
パパもママにキスして来ようかな?」と言って部屋を出てしまった。


「メイ、ありがとう。
メイメイ、すごく懐いてくれてるみたいだよ」

「それは、メイメイちゃんが優しくて素直だからよ?」

「でも…。
いや、本当にありがとう」

「私の方こそ、ありがとう。
メイメイちゃん、可愛いわ?
私に似てない?」と笑った。


「名前も、お誕生日も!
ピアノも好きだし、
航平さんのことも大好きよ?」

「メイママって呼んでたね」

「ええ。
可愛い呼び方!
嬉しいな。
本当に自分のお腹から産まれたって思えるようになるかな?」


母とメイちゃんがトレイを手に戻ってきた。

「これ、メイメイちゃんが切ったのよ?」と言いながら、
お皿を並べる母も、楽しそうだった。



写真を撮っておくと良いというお義母様のアドバイスを母に伝えたら、
「それ、良いわね!」と言って、
「じゃあ、お着替えしましょ!」と張り切り出した。


「これ、メイメイちゃん、ちょうど良いわ?」と言いながら、
私が七五三で着たお着物を出してくれたので、
私も着物を着ることにする。

「髪を日本髪にするのはとても無理ね?
美容室にお願いしましょう?」と言うと、

「あら!
航平さんはとてもカジュアルな格好ね?
バランス悪いから、
パパの服、出して?」と、
母が仕切りまくるので、
みんな、それに巻き込まれて行く。

百貨店の中の美容室に連絡しておいて、
そのまま車で出掛けて、
髪を結って貰って家族写真を撮る。

少し遅れた七五三のようで、
温かい気持ちになる。

折角だからと、
髪を直している間に、
母と私は自分達のとメイちゃんの可愛いドレスも買ってきて、
着替えて写真も撮った。


「ピアノ、練習したら、
これを着て発表会に出ましょうね?
親子で連弾なんて、素敵!
なんなら、航平さんもピアノ習ったら?」と母は言い出したりした。


帰りに外で食事をして、
両親を送ってから帰宅した。


「疲れなかった?」と訊くと、
「お姫様みたいなドレスを買って貰っちゃった」と言うので、
「だって、メイメイちゃんは、
私達のお姫様だもの」と、手を握った。


こうして、絆が深まっていった。

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