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欲しいのは愛だけ
第10章 新たな暮らし
新学期になって、
メイちゃんの学校生活も慣れていった。

栄養失調気味で弱々しかった体調も改善して、
朗らかで優しい雰囲気になっていった。

航平さんが出張の時は、
一緒に寝たりして、
本当に仲良くなっていった。


ある日、メイちゃんを学校に送ってのんびり買い物をして帰ろうとしている時のことだった。

とても珍しい2人を見かけた。

藤堂先生と大阪さんだった。

思わず立ち止まってしまったことで、
むしろ目立ってしまった。


「あら!
お久し振りね?」と藤堂先生がにこやかに言った。

「本当に!
お腹、前に出てきたわね?
予定日はいつなの?」と大阪さんも言う。

「良かったら、お茶でもいかが?」と言われてしまい、
上手く断ることが出来ずに、
連れ立ってカフェに入った。


ハーブティーを頼んで、
なんとも言えない空気の中、黙っていると、
藤堂先生が話し始めた。


「私達ね、
共同戦線を敷いて闘ってたのよ?」

「えっ?」

「あの人を会社から追い出す為に、
手を組んだの。
私と組んだ方が、
よりマスコミや出版社にも顔が効くしね?」

「…」
私は黙ってしまう。

「彼はすごすごと退却して名古屋に行ったけど、
中部エリアの小売店を展開している会社に顧問で入ってね、
そろそろ反撃に出るかもしれないから、
情報交換しようと思ってね?」

「どっちかに頭を下げると思ったら、
まさか、あの地味なオンナのトコに行くなんてね?」と、
大阪さんが言う。

「あの…お子様は?
ご出産されるって…」

「あんなの、嘘よ?
最後に手切金と口止め料貰おうと思っての駆け引き」と、
大笑いするのを見て、
やっぱり、早々に離れて良かったと思った。

「お仕事には復帰する気はないの?
いつでも席を用意するわよ?」と藤堂先生が言うけど、

「私は専業主婦が性に合ってるようなので」と言った。


「あっ…。
申し訳ありませんが、
そろそろ主人の実家に行く時間ですので…」と言って、
伝票を持って席を立った。


「あら、そのままで良いのよ?
私達、これからまだ、ここで話をするから」と、
藤堂先生が伝票を引き寄せた。


「では…。
お茶、ご馳走様でした。
お仕事の成功をお祈りしております」と頭を静かに下げて、
立ち去った。

大阪さんと繋がってたとは…。
やっぱり怖い方だと身震いした。
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