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濡れて堕ちて……
第7章 淫獣
先ほどとは比べものにならないくらいに体が波打つ。

波打つなんてものじゃない。

何かに取り憑かれたみたいに鎖に繋がれた足と手を動かそうと必死になる。

鎖の音が虚しく響くだけ。


「ダメっ!!変にな…っあぁぁんっ!!変になっちゃ…あぁぁぁぁぁっ!!」


胸元にうっすら汗が浮かぶ。

絶頂を迎え過ぎたのか、抵抗し過ぎたのか─────



本当におかしくなるかも知れない。

気が狂うかも知れない。

そんな事を考える余裕すらもうない。




「こんな弱々しい振動じゃ、反省してくれなさそうだなぁ、陽子さん」

反省?

私はあんたに対して反省するような事はしてない。

あったとしても、これでチャラだ。


「やめて…。もう許して!あぁぁんっ!!また、イッ…もう、やだぁぁっ!!」




「舌を噛むよりはマシですよ?」

ビイィィィィンッ!!




「あ…─────────────っ」





電マの強弱を変更すると

言葉にならない、喘ぎ声とも叫び声とも言えないような悲鳴が響き


私の意識はそこでブラックアウト。




意識を失う直前に聞こえた徹の声。


「あーぁ…。まぁ、いいや。また明日もありますもんね」 
 

という、言葉と

あの頃のような優しいキス。






喉の乾きで甘い蜜を探してた私は

とても甘い密を見つけた。

夢中になって吸い続けた。
    



けど、それは猛毒で









気づいた時にはもう








手遅れなほど



私の体は

その毒に犯されていた。












後戻り出来ないほどに。
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